RPA(ロボティックプロセスオートメーション)ツールを展開するUiPathは5月27日、新製品のオンライン発表会を開催。プロセスマイニング製品「UiPath Process Mining」、コラボレーション製品「UiPath Automaton Hub」、ソフトウェアロボット開発製品「UiPath StudioX」の販売を開始した。また、RPA管理ソフト「UiPath Orchestrator」のSaaS版も提供を開始した。
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Process Miningは、業務のボトルネックとなるプロセスを発見して自動化を図るためのツールになる。業務システムのログデータなどを収集・分析することで、RPAに最適な業務の可視化を支援する。2019年に買収したProcessGoldのソリューションを正式に統合した形になる。
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Automaton Hubは、ソフトウェアロボットの開発者とユーザーをつなぐ企業内コラボレーションツール。ユーザーから上がってくる業務自動化のアイデアを集約・管理でき、賛成投票などを通じてRPA化のニーズや優先順位を可視化できる。これまで、業務自動化の案件や開発に必要なドキュメント類が部署ごとに管理され、アイデアがあってもRPAを統括して管理・開発する部署にその要望がうまく伝わらないという課題があった。そうした問題に対応するため、社内の自動化案件を一括で管理できる環境を用意した。また、自動化への貢献度を示すリーダーボードや会社全体の自動化の状況を示すダッシュボードもあり、全社におけるRPAの浸透度を測ることができる。
UiPath StudioXは、従来の「UiPath Studio」をよりシンプルかつ簡単・手軽に使えるように、必要な機能だけに絞ったRPA開発ツール。プログラミングの知識が不要で短時間の学習で開発ができるソリューションという。RPAを推進するCoE(Center of Excellence)やRPA開発者だけでなく、現場のビジネスユーザーが日常の業務の中で自動化に取り組めるようになっている。
Studioで作成した共通部品をライブラリー化することで、StudioXで再利用することも可能だという。また、ベストプラクティスをまとめたStudioX用のテンプレートが無償で提供され、どんな自動化ができるのかを実際に動かしながら体感することができる。
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代表取締役CEO(最高経営責任者)の長谷川康一氏によると、同社の2020年のフォーカスは「クラウド化」にあるという。その取り組みの一環として「UiPath Automation Cloud」が東京リージョンのデータセンターで稼働した。サービスの第1弾としてUiPath OrchestratorのSaaS版が利用可能になる。
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SaaS版Orchestratorは、オンプレミス版よりも少ない工数でクラウドでも利用できるようにしたもの。ライセンスの権限管理やロボットの稼働状況、エラー発生状況の把握などの管理機能が一つになったツールになる。接続端末数に応じたライセンス体系になっており、少数でも利用しやすくなっている。社内外を問わずロボットのスケジュール管理が可能で、高可用性を実現する冗長構成をとっている。
新型コロナウイルスが世界的な流行について、長谷川氏はオンライン会見で「安全と経済を両立させないといけない難しい状況にある。だが、コロナの局面を変革の機会として捉えれば、今の危機意識が根本的な発想の転換を可能にする。紙を必要とする商習慣や印鑑が必要な契約形態など、過去のしがらみを超えて、RPAやAI(人工知能)などのデジタル技術を使った次世代の業務を作っていく必要がある。UiPathは“A Robot for Every Person”を掲げ、コロナとともに生きる新しい働き方を支援していく」と語った。