BlackBerry Japanは6月9日、エンドポイント保護製品「BlackBerry Spark Suites」の提供を開始した。Spark Suitesは、自社のエンドポイント管理製品である「BlackBerry UEM」と、旧BlackBerry Cylance(サイランス)の人工知能(AI)セキュリティを掛け合わせた製品になる。
Spark Suitesは、エンドポイントセキュリティ機能とエンドポイント管理機能を統合することで、サイバー攻撃からの保護と復旧、ユーザー認証やアプリケーション、データ暗号化などを両立する“統合型エンドポイントセキュリティ(Unified Endpoint Security:UES)”を実現できるという。
Spark Suitesは、UESに特化した「BlackBerry Spark UES Suite」、“統合型エンドポイント管理(Unified Endpoint Management:UEM)”の基本的な機能を利用できる「BlackBerry Spark UEM Express Suite」、すべてのUEM機能を供える「BlackBerry Spark UEM Suite」で構成、ユーザー企業は自社の事情にあわせた製品を導入できる。
BlackBerry Japan 日本担当バイスプレジデント 金城盛弘氏
BlackBerryは2019年2月にCylanceの買収を完了し、「CylancePROTECT」「CylanceOPTICS」といった製品を提供しているが、ブランド戦略について、日本担当バイスプレジデントの金城盛弘氏(旧Cylance Japan社長)は「CylanceブランドはBlackBerryブランドと並行し、最終的に統合する予定」だと説明した。
Gartnerの調査レポート「Predicts 2020: Mobile and Endpoint Technologies」によれば、2024年までに70%の企業がUEMコンソールの統合されると見込んでおり、2020年時点で20%未満だったモバイルデバイスの脅威対策は2023年までに50%まで上昇。2019年時点で10%未満だったウエアラブルデバイスを現場業務に用いる割合が40%まで拡大するという。
新型コロナウイルスの影響を受けてテレワーク需要は現在、大きく高まり、日本でも日立製作所や富士通などが、在宅勤務を基本にして出社を必要最低限する施策を発表している。BlackBerry Japanが提示した統計情報(Osterman Research 2020)によれば、企業の意思決定者が「自社はリモートワークを実現するための準備ができている」と回答した割合はわずか19%