Microsoftは「Windows 10 May 2020 Update」(バージョン2004)の自動アップデート対象を拡大しているなか、「Windows Feature Experience Pack」というアップデートのインストール対象も広げようとしている。少なくとも2019年12月頃から存在が知られている同機能パックが、多くのユーザーに向けて公開されようとしていることを考えると、その目的と詳細が明らかにされるはずだと思うかもしれない。しかし、明らかにされないままとなっていた。
提供:Tero Alhonen
このため筆者は先日、Feature Experience Packについて再びMicrosoftに問い合わせたが、同社の広報担当者からの公式回答は「Microsoftから共有する情報は何もない」というものだった。
では、非公式の回答はどうだろうか?筆者はFeature Experience Packについて各所で尋ね、いくらかの情報を得た。
Feature Experience Packは、「Windows 10」および「Windows Server」のオンデマンド機能(FOD)の1つとしてリストに記載されている。このリストには、「Internet Explorer」(IE)や「メモ帳」「DirectX構成データベース」「ペイント」「PowerShell ISE」「クイックアシスト」「印刷管理コンソール」などが含まれている。バージョン2004以降で使用できると記されたFeature Experience Packには「Windowsの機能に不可欠な機能が含まれている」という。インストールサイズが44.15MBであるこの「Windows」クライアントのシェルコンポーネント群について、Microsoftは削除しないよう勧めている。
このFeature Experience Packは、「Windows XP」や「Windows Vista」「Windows 7」向けのWindows Experience Packと混同するべきではなく(この2つはまったく異なるものだ)、Windows 10 OS自体よりも迅速にアップデートされる機能をまとめたもののようだ。これによって、「Microsoft Store」経由で一連のWindows機能(UIやUXの変更に限らない)を更新できるようになる。筆者は、アプリ群を個々にではなく、まとめてテストできるという意味を持っているのではないかと推測している。
現時点でExperience Feature Packに含まれているのは、更新された「切り取り&スケッチ」や、更新されたテキスト入力パネル、シェルのサジェスチョン機能の更新されたユーザーインターフェースなどであり、それほど多くはない。筆者は、今後より多くのWindows 10シェルコンポーネントがExperience Feature Packに追加されていくと見込んでいる。
Microsoftは、Microsoft StoreでWindows 10と「Windows 10X」の双方に向けてFeature Experience Packを提供しているようだ。Windows 10向けの説明には、Windows 10の複数のエディションに加えて、「Xbox One」でも動作すると記されている。Windows 10X向けの方は、シングルスクリーンデバイスに向けた「リイマジン」の最中かもしれない。
Feature Experience Packは、Windows 10のベースとなる「Windows Core OS」(WCOS)からUI/UXを切り離すというMicrosoftの長期的な目標に合致しているという臆測が流れている。Windows 10搭載デバイスのタイプに応じて、WCOS上でシェルを切り替えられるようにするというのがMicrosoftの壮大な計画だったが、これは現在でも計画として生きているのだろうか?おそらくは生きているだろう。というのも、Feature Experience Packは「Composable Shell」(サブコンポーネントに組み込み可能なシェル)と関連があるように見受けられるためだ。
Feature Experience Packの詳細についてMicrosoftが口をつぐんでいる理由は、筆者には分からない。ともかく、バージョン2004をインストールしたユーザーはそれを目にすることになるようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。