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教育IT“本格始動”

教育IT“本格始動”--アフターコロナの教育現場の崩壊を防ぐには?

武田一城 (ラック)

2020-06-22 06:00

 本連載は、教育ITが必要になってきたそもそも論と教育ITが成功した暁に実現する素晴らしい将来像について述べていく。これまで新型コロナウイルス感染症によって、教育ITの導入が待ったなしになったことや、学校間で情報格差が発生している状況について述べた。今回はアフターコロナでの対応について筆者なりの考察を述べてみたい。

 テレビのワイドショー番組などでは、新型コロナウイルスの日々の感染者数や第2波に備える方法、政府や自治体の対応の検証といった内容を延々と報じている。ワクチン開発など一定の解決策が定まるまでこの状況は収束しないと思われる。

 そのため、この状況で議論すべきは、「アフターコロナ」や「ウィズコロナ」などと呼ばれ始めた、今後の社会や経済をどう維持発展させていくかということだろう。既存の社会や設備は「ソーシャルディスタンス」と呼ばれる距離感で人間同士が生活するようにはできていない。それを実現するには、建物の構造や移動方法、社会的なルールなどの社会基盤の再構築を前提に変えなくてはならず、これらは近現代の歴史で初めてと言えるほどの大変革が必要になるだろう。

ソーシャルディスタンスが難しい学校

 この混沌とした時代に際して、学校教育でやっと始まった教育ITも例外ではない。そして、残念ながら学校の環境とは非常にソーシャルディスタンスを保ちにくい構造だ。ベビーブーマー世代のように1学級に40~50人が学ぶような環境は、現在ではさすがに少ないが、それでも30人を超える学級は存在する。その教室の広さは、平均的に63平方メートル(7×9メートル)前後のようで、都心の2LDKのマンションと同じ位の広さだ。この面積で2メートルの距離を保たなければならないソーシャルディスタンスを確保することは難しい。

 政府の言う「3密(密閉+密集+密接)」を例にとっても、密閉に関して教室の窓や出入口を開放することで避けられるかもしれないが、密集と密接の回避は難しいだろう。小中学生の行動特性を考えると、大人とは比べ物にならないほど密集・密接したコミュニケ―ションを取りがちだ。理由や行動に気を付けることを教えれば、ある程度抑制できるかもしれないが、その世代の子供たちの行動は本能的とも思えるものであり、全てを完全に抑えることは難しいだろう。さらに、教室内での活発な発言や議論を妨げることは、教育の劣化にもつながりかねず、今の教育レベルを保ちながらソーシャルディスタンスを保つことはやはり難しいだろう。

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