いずれのモデルもインライン圧縮や重複排除を行うインラインデータ削減機能を備えており、クラスターは3~252ノード構成が可能。その際のクラスター容量はF200が11.4TB~3.8PB、F600が46TB~15PBとなる。
倉橋氏は「(Isilonファミリーは)最小構成でも約100TB~1PBの構成だったが、スモールスタートしたい事業部や部門のファイルサーバーなど、100TB以下を要望するお客さまの需要とギャップが生じていた。PowerScaleはそのギャップを埋める存在」となる。
いずれのモデルもIsilonファミリーと同じく、オブジェクトストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」へのアクセスをサポートした「PowerScale OneFS 9.0」を採用した。HDFS(Hadoop Distributed File System)やNDMP(Network Data Management Protocol)など既存のファイルシステムやネットワークプロトコルも平行して利用できる。
OneFSはデータ格納時にブロック化とパリティを作成して分散配置することで、ドライブ単体や筐体(きょうたい)に障害が発生した際もデータを継続して利用できる耐障害性が特徴の1つ。また、パブリッククラウドやプライベートクラウドへコールドデータを待避させる「CloudPools」を利用すれば、効率的なデータ格納環境を実現できる。
予測分析機能でリソース低下を可視化する「CloudIQ」や、複数の異機種混在ストレージシステム全体像の把握を容易にする「DataIQ」も無償で同梱される。
![EMCジャパン 執行役員 UDS事業本部 SE部 部長 水戸匡茂氏](/storage/2020/06/24/2ea0f10da0223da92a4969ad46841d10/200624_dell_5.jpg)
EMCジャパン 執行役員 UDS事業本部 SE部 部長 水戸匡茂氏
EMCジャパン 執行役員 UDS事業本部 SE部 部長 水戸匡茂氏は「IT予算は変わらずとも組織データの約8割を示す非構造化データが持つ課題に対応できる」とF200とF600をアピールした。
国内のビジネス状況について2019年度は対前年比プラス36%、2020年度もプラス39%と過去最高を2年連続で更新した。倉橋氏は刷新したPowerScaleについて「オールフラッシュの需要は増加している」と市場動向を説明し、冒頭で紹介した3年間の目標も十分に達成できると自信を見せた。
NVMe SSDの採用はPowerScaleファミリーとしては初となるが、「現行モデルにも搭載する可能性はあるものの、現時点で予定はない」(倉橋氏)と同ファミリーの展開を匂わせた。
![PowerScaleのポートフォリオ(出典:EMCジャパン)](/storage/2020/06/24/9f6e1677c8ba12f965553e2d75420b0b/200624_dell_4.jpg)
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