内閣府が行った新型コロナウイルスの感染拡大を受けた働き方や意識の変化を中心にした調査(PDF)によると、テレワークを実施した企業は全国で34.6%、東京23区では、55.5%と半数を超えました。また、継続希望は8割を超えているため、今後もテレワークを継続する企業は少なくありません。
一方、日本生産性本部の調査によると、6割強が仕事の効率が下がったと回答しています。テレワークの課題は言い尽くされており、職場に行かないと閲覧できない資料、自宅の物理的な問題、通信環境、セキュリティなどです。
テレワークの阻害要因の一部がITインフラである一方、従業員側も、ITの知識を高め、適応していく必要があります。テレワーク中のリスクを軽減することを支援するため、従業員やIT担当者ができるヒントを前編と後編に分けてお送りいたします。前編は、従業員ができる、セキュリティのリスクを軽減する対策を紹介します。
ヒント1:自分の働く環境を検証する
テレワークは初めてですか? ここでは一歩退いて状況を俯瞰し、仕事をする場をあらゆる角度と視点から見直してみてください。機密を要するデータは適切なセキュリティと保護の下にあるでしょうか?
- 誰かがあなたのことを見ている/聞いていないか検討し、もしあれば、それを無効化します。
- オフィスにいるときと同様、その場を離れるときはPCの画面をロックしてください。
- 自分のホームオフィスの写真をソーシャルメディアに上げないでください
- 機密を要する書類はその辺に置いたままにせず、シュレッダーを使用してください。
- 人間工学的に快適な椅子を必ず使うようにしてください。快適でない椅子では座ったまま仕事をすることが苦痛になり、長期的に大きな問題となります。
ヒント2:チャットやコラボレーションツールは賢く使う
コラボレーションソフトウェアやチャットの利用は、爆発的に増加しています。これらのサービスを最大限活用することに問題はありませんが、映像や音声、チャットを通じた会話はすべて記録されていることを忘れないでください。
- 未使用時のウェブカメラにはカバーを装着し、またウェブカメラやマイクを特に必要としないアプリケーションからのアクセスはすべてオフに設定してください。
- スクリーンシェアを使用している会議中は、機密を要するメール、その他のコンテンツがバックグラウンドに表示されていないことを確認してください。誰かがスクリーンショットを撮ってTwitterに上げれば、その画像が永遠に出回り続け、消すことは不可能です。
- 本当に心配なら、コラボレーション用のアプリケーションは機密保持の必要なデータに使用するものと同じ機器ではなく、セキュリティ対策を施した別のタブレットで使用してください。
- 自分の背後にあるものやその他ウェブカメラに映るものを整理してください。
- オンライン会議に外部者が侵入されないよう、会議ごとにそれぞれ異なるパスワードを設定します。
- ズボンをはくのを忘れないこと。本当に忘れる人がいるのです。