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Google CloudのCEOが語るコロナ禍、競合、新製品

末岡洋子

2020-07-17 06:00

 Googleのパブリッククラウド事業Google Cloudが、6月14日から年次イベントのオンライン版「Google Next 20: OnAir」を開催している。イベントに合わせてGoogle Cloudを率いる最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏がグループ取材に応じ、新型コロナウイス感染症への対応、新製品、競合について語った。

 新型コロナウイルス感染症ではデジタル化のニーズが急増した。Google Cloudはどのように対応したのかーーKurian氏は、「企業が直面している課題へのソリューションを提供するモデルをとった」と述べる。例はテレワークに止まらない。製造業向けでは、作業員が距離を取らなければならない事態を受けて、イメージ処理を用いた検品ソリューション「Visual Quality Inspection」を用意した。

Google Cloud 最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏
Google Cloud 最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏

 「技術をパッケージしてすぐに実装できるソリューションにした。また、キャパシティープランニングなどのツールを通じて、すぐにワークロードを移行させて拡張できるように支援した。そして、パートナーとの協業で迅速な実装を進めた」とKurian氏は述べている。

 今週オンラインでスタートした年次イベントのデジタル版「Google Next 20: OnAir」では、データとアナリティクス分野で「Big Query Omni」を発表、セキュリティでは「Confidential Computing」をローンチした。

 Big Query Omniは、Googleの Anthos技術を活用することで、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど、Google Cloudではないクラウドにあるデータに対してもアクセスとアナリティクスが可能になる。「どのクラウドにデータを保存・管理しているかに関係なく、一箇所でアナリティクスを行うことができる」とKurian氏はメリットを語る。

 Confidential Computingは、エンドツーエンド暗号化を実現するもので、保存時や転送時に加えて処理時も暗号化を行うというものだ。「機密扱いの情報や規制のある業界で強いニーズがある」とKurian氏。セキュリティでは、規制に準拠した形でワークロードを実行できる「Assured Workloads for Government」も発表している。

 加えて生産性スイート「G Suite」では、「G Suite Hub」を発表した。メール、チャット、音声通話、ビデオ会議などのコミュニケーション、コラボレーションの管理を一カ所で行うことができるという。

 MicrosoftのOffice 365との競合について聞いたところ、Kurian氏は、G Suiteのフォーカスを「コミュニケーションとコラボレーションを簡単に、容易にすること」と述べ、3つのポイントをあげた。

 1つ目はさまざまなコミュニケーション方式のサポートとコラボレーションの統合、2つ目は情報を簡単に見つけ、管理できるようにすること、そして3つ目は「最前線のスタッフへのフォーカス」だ。「看護師、小売の接客担当などはこれまでコラボレーションの中心ではなかった。だが現在、誰もがスマートフォンを手にしている。Googleはコラボレーションをこれまでの枠から拡大し、プロフェッショナル/オフィスワーカーだけでなく、最前線のスタッフも利用できるようにする」とKurian氏。G Suite Hubはデスクトップ/ウェブだけでなく、モバイルでも利用できる。

 コロナ禍では、ビデオ会議も「Google Meet」へとリニューアルした。Googleは4月時点で、「30億分のビデオ会議をホスティングしており、毎日300万人の新規ユーザーが加わっている」「1日の参加者数は1億人以上」などの数字を発表しており、G Suiteの有料顧客は2019年2月時の500万社から600万社に増えたことも報告している。

 「毎日20億人が(G Suiteを)使っている。企業からの関心は増えており、実際に成長している」とKurian氏は述べた。

 クラウド全体の競合については、インフラ側ではリージョンやゾーンの拡大と海底ケーブルによる低遅延そしてAnthosを通じたマルチクラウド戦略などを差別化に挙げた。

 強みとしてきたデータアナリティクスでは、Kurian氏は大規模なアナリティクス処理などに触れながら、「顧客やアナリストから、機械学習機能では業界最高と位置付けられている」と胸を張った。「機械学習を使った業界別ソリューションも強みだ」とKurian氏、そして会期中発表したVerizonの事例を取り上げた。

 Verizonのコンタクトセンターはコロナ禍で問い合わせが急増し、スタッフがこれまでのように作業ができないという“ダブルパンチ”状態だったが、「Contact Center AI」を導入、自然言語認識とバーチャルエージェント技術を利用して、顧客からの電話に応じ、質問に答えることができる体制を整えた。「コンタクトセンターの作業を軽減すると同時に対応時間も短縮できた。顧客の満足度も改善している」とKurian氏。

 Googleの一部であることで、Google AdsやGoogle MapsなどGoogleの他の製品との密な統合も強みのようだ。「物流企業がGoogle Cloudでアナリティクスを利用してGoogle Mapsをルーティングに使ったり、Google Cloudを使って顧客セグメント、在庫と需要プランニングを行い、Google Adsを使って得られた分析を利用したオファーをしたりするなどのことが可能だ」とKurian氏は述べた。

 また、Googleが自社で使うために開発した技術を、他の企業が利用できるようにクラウドサービスにできる点もメリットだとKurian氏。例として、Googleが自社内で使う分析ツールとして開発したものをクラウドサービスにした「Big Query」を挙げた。

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