実績のある学習ノウハウとデジタル技術を組み合わせたサービス
以上が発表の概要だが、今回このサービスに注目したのは、「デジタルトランスフォーメーション(DX)によるコロナ時代の業種別営業支援」としてITベンダーが提供するサービスのありようを示していると考えたからだ。
富士通もこのサービスを商品化した背景として、「新型コロナウイルス感染拡大防止策として、多くの企業が自宅でのテレワークへと急速にシフトしている一方、そうした状況における個人の働き方や生産性向上、組織内での情報共有やチームビルディングについての課題も生まれている」と指摘。その上で、「金融機関では毎日の朝礼やチームでの活動報告、対面での教育やロールプレイング演習を行う慣習がある機関も多く、テレワークの浸透でそれらの活動の変革が求められている」との見方を示した。
そこで今回、提供を始めたのが、金融機関における働き方改革と強い組織の醸成をデジタル技術で支援するサービスである。ポイントとなるのは、実績のある学習ノウハウからなるクラウドサービス(UMU)と富士通のデジタル技術を組み合わせて、スマートフォンを用いた金融分野向けの新たな教育プラットフォームサービスとして作り込んでいることだ。この点が、まさしく勘所である。
また、DXの観点から言えば、企業にとって顧客との一番の接点となる営業力をコロナ時代に合わせて強化、拡充するところは、デジタル技術を生かす勘所である。
DXというキーワードのもと、今後こうしたコロナ時代の業種別営業支援サービスが増えてくるだろう。今回は金融分野の営業職員向け教育支援サービスだが、今後さまざまなツールを組み合わせたコロナ時代の業種別「接客」支援サービスも出てきそうだ。これは、ITベンダーにとっても新規需要と捉えてきめ細かいソリューション作りに取り組むべきだろう。