モンテディオ山形、SAP製品による定量的評価で選手のスカウトを強化

NO BUDGET

2020-09-08 15:47

 サッカーチームのモンテディオ山形は、SAPが提供するクラウド人事システム「SAP SuccessFactors」を導入した。導入はアビームコンサルティングが支援した。独自に開発したSAP SuccessFactors導入テンプレートの活用し、短期間での稼働を実現している。

 今回の導入でモンテディオ山形は、獲得候補選手のプロファイル情報の一元管理や可視化を実現し、これまで評価者によりばらつきのあったスカウト管理方法の改善と戦術策定を図る。また、導入に際し選手の評価基準を策定した。プロファイル情報は氏名、生年月日、出身地などの基本情報と、身長や体重、チーム歴、ポジション適性などの選手固有の情報を併せたもの。

 スカウト管理方法については、従来は評価者(スカウト担当者)ごとに選手の評価基準が異なっていただけでなく、評価の管理が一元化されておらず、評価情報が入団前後で分断されていた。そのため、スカウト時に評価した特性が入団後も生かされているのかといったスカウトの効果検証ができていなかった。

 そこで、攻撃・守備・フィジカル・パーソナリティーなど4〜5つの評価項目に対する評価点と、試合実績(得点数やアシスト数など)を組み合わせた独自の評価基準を設け、SAP SuccessFactorsで一元管理することで、評価項目をシステム内で統一した。スカウト時から入団後まで同じ評価基準を用いて選手を評価することで、評価基準の適正性の検証に寄与していく。

 また戦術策定では、在籍選手や獲得候補のアマチュア選手を対象とし、従来は紙やExcelで管理していたプロファイル情報を一元管理する。これにより情報の可視化を実現し、公平かつ客観的に選手の特性を把握し、選手のポジション配置や各ポジションの後継者計画に貢献していく。

 今後はSAP SuccessFactorsの操作性向上のため、ビジネスチャットツールとの連携を実施する予定だ。入力に必要な操作をより簡潔にし、試合中のリアルタイムな情報管理を可能にする。また、個々の選手のプロファイリング情報に合わせた個別のトレーニングメニューの立案など、選手育成への展開を予定している。

 なおアビームコンサルティングは、人事業務領域におけるデジタルトランスフォーメーション推進支援のノウハウやサッカークラブへの導入実績から得た知見を活用し、ポジション別の評価など定性的な能力を定量的に評価するための指標の策定や導入後のユーザートレーニングも支援している。

   

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