米ZDNet編集長Larryの独り言

フォード、変革目指す新CEOが示したソフトウェアや技術スタック重視の戦略

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-10-15 06:30

 Fordの新最高経営責任者(CEO)に就任したJim Farley氏が発表した計画には、商用車事業や、自動車ユーザーのロイヤルティを高める新たな顧客体験のためのソフトウェアやサービスに関する説明が非常に多く含まれていた。

 中核事業を転換する過程にあるFordは、電気自動車や自動運転車への移行を進めながら、自動車業界全体でソフトウェアの重要性が増している状況に対応しようとしている。Farley氏は3年に渡って同社の合理化を進めてきた前CEO、Jim Hackett氏の後を引き継ぐことになる。

 Farley氏は、一連の経営陣の交代や同社の新たな計画について説明した。計画には、「ユーザーのロイヤルティと継続的な収益を高める一連のソフトウェアサービスによって、商用車事業を拡大する」ことや「競合他社と一線を画す形でテクノロジーとソフトウェアを活用する」ことが含まれていた。

 さらに同社は、子会社Argo AIの自動運転システムを生かしてコネクテッドカーを開発し、新たな事業を創出しようとしている。

 最高情報責任者(CIO)のJeff Lemmer氏が1月1日付けで退社する予定であり、同社が新たなCIOを探していることも明らかになった。新CIOは、Fordの技術とソフトウェアプラットフォームを担当することになる。

 Farley氏の技術戦略は、9月に最高技術責任者(CTO)のKenneth Washington氏が投資家向けに行ったプレゼンテーションに続くものだ。Washington氏はその際、未来のスマートカーが必要とする5G、衛星通信、エッジコンピューティング、クラウドコンピューティング、フォグコンピューティングなどの接続性について説明している。

将来のスマートカーを取り巻く通信環境

 Washington氏は、将来においても時代遅れにならないよう、使い続けられる技術スタックを構築する予定だと述べている。

 当社の技術スタックは、他社とは差別化された顧客体験の開発、提供を加速するよう設計されている。これには、当社の個人向け車両と商用車の両方が含まれている。私たちは、車両を周囲のスマートな世界と接続するために、この技術スタックを将来にわたって時代遅れにならないものに設計している。この技術スタックは、進化を続けることができ、常にスマートな世界と統合され、無線でアップデートを提供することによって時とともに改善される。当社は、センサーやアクチュエーターから、車両の中にある高パフォーマンスなコンピュートクラスターにインテリジェンスを移すように設計している。これは、真のデジタルプラットフォームを生み出し、テレビや音楽、あるいはショッピングアプリなどの体験を提供するソフトウェアやアドオンサービスによって、イノベーションを起こせるようにするためだ。これらはまた、より先進的なインフォテインメントや、レベル4の自動運転の構成要素でもある。

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