調査によれば、98%もの人々が今後もリモートで働き続けたいと考えており、上司側でも、2021年までは(あるいはそれ以降も)リモートワークが続くと予想しているケースが多い。
英シェフィールド市議会のビジネス変革および情報ソリューション担当ディレクターMark Gannon氏は、「正直なところ、もう後戻りはできないと考えている」と述べている。「人々は、リモートで作業することの利点と、それによって得られるワークライフバランスを知ってしまった」
とはいえ、リモートワークのいくつかの利点が好まれていることが明らかになったのは、この議論の一端にすぎない。Gannon氏は、現在の在宅勤務の状況は「理想からはほど遠い」と語気を強めた。在宅勤務に関する戦略は、多くの場合わずか数日で慌ただしくまとめられたもので、それが「新たな常態」になってから6カ月経った今でも、依然として未完成のままだ。
ほかの最高情報責任者(CIO)と同じように、Gannon氏も職員の孤立やチームの結束への悪影響を恐れている。アナリストは、コンピューターの画面とビデオ会議に縛られていることが多いリモートワーカーが抱える問題として、孤独感やうまく仕事から離脱できないこと、自宅にある集中力を妨げる要因などを挙げている。
また従業員は、「Zoom疲れ」と呼ばれるオンライン会議が原因の燃え尽き症候群を経験しており、ある調査では、従業員の4分の1(27%)以上が「集中しようとしても、集中できないことが多い」と述べている。
筆者は最近、ある優良企業の上級役員から、同僚たちがビデオ会議を使うことをやめてしまったという話を聞いた。その人物はさらに、「私たちはお互いの顔を見るのにうんざりしてしまった」と述べ、多くの人は、今ではインスタントメッセージでコミュニケーションを取っていると付け加えた。
労働者も疲れている。ある調査によれば、労働者の75%が燃え尽き症候群を経験しており、40%はその直接的な原因はコロナ禍だと回答している。また別の調査では、プロフェッショナルの3分の2以上(68%)がオフィスで仕事をしていたときより在宅勤務の方が燃え尽きていると感じており、60%が新型コロナの蔓延前よりも業務時間が増えたと答えていた。