編集部からのお知らせ
宇宙ビジネスの記事まとめダウンロード
記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」

マイクロソフト、行政のDX推進の状況を発表

阿久津良和

2020-11-26 06:00

 日本マイクロソフトは11月25日、政府や地方自治体におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する取り組みについて説明会を開催した。同社は、2019年9月24日に「デジタル・ガバメント統括本部」を設立し、中央省庁や地方自治体と多くの取り組みを実施している。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長の佐藤亮太氏
日本マイクロソフト 執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長の佐藤亮太氏

 取り組みについて執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長の佐藤亮太氏は、「われわれの強みは選択肢の幅と道筋を提示できること。ただし、ツールはツールであり、人が目的を持って動く際にツールが生かせる。日本はデジタル後進国だが、国内の先端事例を海外に発信できるような世界をリードする国を目指す政府・自治体を支援したい」と展望を語った。

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 デジタル・ガバメント統括本部長の木村靖氏
日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 デジタル・ガバメント統括本部長の木村靖氏

 デジタル・ガバメント統括本部は、同社主催や顧客先(政府・自治体)でのセミナーなどを通じて、のべ1600人の職員がDXに参加する人材育成に取り組んできたとする。2019年の設立発表時に、公共機関向けの「AIビジネススクール」の開設を表明していたが、統括本部長を務める業務執行役員の木村靖氏は、「この1年は手探りでプログラムを提供していたが、DX推進に必要な幅広い基本的な内容に変更しながら提供」と説明する。ここでは同社と他社のクラウドの相違点や、セキュリティであれば「境界型」と「ゼロトラスト型」の違いなど基本的な概念を内容に含めてきたとのこと。結果として、1年で20件前後のウェアによるセミナーを用意し、2021年春までに50前後のコンテンツを提供できる見込みだという。

デジタル政府におけるITベンダーへのニーズの変化
デジタル政府におけるITベンダーへのニーズの変化

 また、中央省庁や地方自治体で多くの事例を積み重ねてきたという。厚生労働省とは、コロナ禍の対策として立ち上がった「HER-SYS(新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム)」を支援し、Azureのデータ管理基盤が感染症対策に利用されている。各自治体や保健所に対する認証にはAzure Active Directory、職員間のコミュニケーションにはMicrosoft Teams、データの可視化にはPower BIを用い、各ソリューションを実質3週間で納品したという。経済産業省とは、ローコード開発環境のPower Appsを用いて行政手続きのアプリケーションの内製化し、試験運用の段階まで到達した。最高裁判所では、民事裁判における一部手続きにMicrosoft Teamsを利用しているほか、各府省庁の職員向け(計4万人規模)にもMicrosoft Teamsが導入され、コロナ禍におけるリモート作業やオンライン環境を構築している。

厚生労働省における取り組み
厚生労働省における取り組み

 地方自治体では、福井県がコロナ禍前から取り組んできた働き方改革としてWindows Virtual Desktop環境の構築し、多様な働き方を推進してきた。大阪府と大阪市も約2000人の職員がリモートワークでMicrosoft Teamsを利用し、2020年度の新採用・新転任職員518人への研修を実施した。埼玉県戸田市では、住民の問い合わせに対応するAI(人工知能)チャットボットサービスを、三菱総合研究所や日本ビジネスシステムズ、アイネスと共同で提供する。木村氏は、「職員の働き方改革、対面や押印といった業務を自動化する取り組みを推進し、名前を出せる事例が増えた」と、DXの推進支援が本格化していることを強調した。

 加えて木村氏は、「手続きのオンライン化や自動処理が求められている。2021年予定のデジタル庁設立のように、組織間を横串でコラボレーションできるデータ連携基盤やゼロトラストベースのセキュアなサービスも必要になる」とし、2021年5月までにMicrosoft 365、Microsoft Azure、Dynamics 365で「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」を取得すると表明した。他方で、第二期政府共通プラットフォームにAmazon Web Services(AWS)が採用されたことについては、「われわれは幅広いクラウドレイヤーを保持しており、中央省庁の事例は大半がIaaS以外の技術を活用している」(木村氏)とした。

 重要な人材育成についても木村氏は、大半のコンテンツを無償で提供し、「幅広いメニューを提供し、人材育成支援と需要に応じたデザインシンキングのワークショップで対応する」と話す。国内12カ所に開設するAzure Baseを活用した「GovTech」も今後展開する。地方のDXを推進すべく「Azure Fukuoka Base」を運営するAlterboothとは、11月末からAzure経由で「LINE SMART CITY GovTechプログラム」を提供する。

電子政府の取り組みにおけるポイント
電子政府の取り組みにおけるポイント

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    MITスローン編著、経営層向けガイド「AIと機械学習の重要性」日本語版

  2. クラウドコンピューティング

    AWS提供! 機械学習でビジネスの成功を掴むためのエグゼクティブ向けプレイブック

  3. クラウドコンピューティング

    DX実現の鍵は「深層学習を用いたアプリ開発の高度化」 最適な導入アプローチをIDCが提言

  4. セキュリティ

    ランサムウェアを阻止するための10のベストプラクティス、エンドポイント保護編

  5. セキュリティ

    テレワークで急増、リモートデスクトップ経由のサイバー脅威、実態と対策とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]