Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は、Linuxカーネルのバージョン5.10をリリースしたと発表した。このバージョンには複数のドライバーのアップデートが含まれている。

Linus Torvalds氏
提供:Linus Torvalds/TED/YouTube
Linux 5.10は最新の長期サポート(LTS)リリースであり、少なくとも2年間はサポートされる。LTSバージョンは、最終的に6年間サポートされることになる場合もある。
LTSリリースが重要なのは、サポート期間中は重大なパッチがバックポートされることになっており、デバイス開発者が長期間にわたってセキュリティパッチが適用されたカーネルを利用できることだ。
今回のバージョンには、LTSであることを除いては特別な点はない。ただしTorvalds氏によれば、ネットワーキングやアーキテクチャー、ファイルシステム、ツールなどに対する少数の修正が含まれているという。
「ゾッとするようなものはない。多くのパッチは非常に小さなもので、最大のものは、ピン制御ドライバーのピンのマッピング定義を修正していることだ」と同氏は述べている。
「(最後の週には)かなりの修正が行われ、問題が修正されなかったため土壇場で元に戻したものもいくつかあったが、『もう1週間必要だ』と思うようなものはなかった」
今回のアップデートは、北半球の多くの地域がコロナ禍の影響を受けている中、2020年のホリデーシーズンを目の前に控えたタイミングでリリースされた。
Torvalds氏はこの状況を踏まえて、バージョン5.11については、直前になってから舞い込んでくる修正項目に対して少し厳しく臨むと警告している。
「5.11のマージウィンドウに関するもっとも重要な問題は、カレンダーを見れば誰でも理解できるはずだ。実際問題として、ホリデーシーズンまでもう1週間しかなく、今は誰もが注意が散漫になっている」とTorvalds氏は述べている。
「これは、『マージウィンドウでは、マージウィンドウが始まる前に準備ができていたものを処理する』という方針を厳格に運用しなければならないということだ」
バージョン5.11のマージウィンドウは、米国時間12月14日から始まっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。