海外コメンタリー

自動車とモビリティの未来を読み解く--次世代に向けた変革とキーワード

Vala Afshar (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-12-25 06:30

 10年後、自動車やモビリティーのエクスペリエンスはどのようなものになっているだろうか?モビリティーシステムはこの10年で統合が進んでおり、今後も自動車のユーザーエクスペリエンスを形作っていくいくはずだ。Experiences Per Mile(EPM)という活動は、コンシューマーのことを第一に考え、エクスペリエンスを中心に据えたビジョンに向けてモビリティーシステム業界を変革していくための取り組みに軸足を置いている。

 Experiences Per Mile Advisory Council(EPM Advisory Council)という委員会は、コネクテッドカーの実現に向けた活動によって推進されている自動車業界のバリューチェインの変革に関心を持つ、自動車業界の企業幹部やアナリスト、関係者という限られた人々のグループ内でのコラボレーションを促進するために設立された。EPM Advisory Councilの目的は、コンシューマーのための自動車内でのエクスペリエンスを定義し、洗練していくためのベストプラクティスの創出と、業界を横断したイノベーションの醸成だ。筆者も同委員会のメンバーとなっている。

 企業は自動車に関連しているかどうかにかかわらず、めまぐるしく移り変わるコンシューマーベースに向けて最適なコネクテッドビークルエクスペリエンスを提供するという差し迫ったニーズを抱えている。コンシューマーはパーソナライズされたエクスペリエンスを求めており、業界はそうしたニーズに応えなければならない。先見の明に長けた業界企業であれば、意義ある変革に向けて今すぐ関与する必要がある。EPM Advisory Councilはそのコラボレーションの取り組みを「Experiences Per Mile 2030」レポートにまとめ、公開している。

 以下はこのレポートの要点だ。

より優れたエクスペリエンスに向けた「CASE」

 世界各地の卸売りチャネルを通じて、内燃機関を搭載した自動車を個人のコンシューマーに販売するという変わりばえしない状況が1世紀以上も続いた後、業界は著しく動きを加速させ、「CASE」という野心ある新たな進路に向けて走り出した。CASEはConnected(コネクテッド)とAutonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)というキーワードの頭文字を続けた頭字語であり、モビリティーソリューションの推進を掲げている。

  • 2030年までに、世界で出荷される自動車の96%にコネクティビティー機能が搭載されるようになる(2020年の2倍)。
  • 2030年までに、世界で出荷される新車の79%は自動運転レベルが2以上になる(2020年では45%)。
  • 2030年までに、モビリティー関連の収益の26%は新たな収益源(例えばオンデマンドのモビリティー)からもたらされるようになる(2020年は1%)。
  • 2030年までに、販売される新車の24%は電気自動車になる(2020年は3%)。

C-A-S-Eという4文字に軸足を置いた変革

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