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一度でも不満なら5割は他社に--オンラインな時代に考えるべき顧客体験の向上策

阿久津良和

2021-02-19 06:30

 顧客に提供する価値を高めるために企業にとって重要になってくるのが、“顧客体験(Customer eXperience:CX)”だ。しかし、一期一会な顧客との接点でたった一度でも残念な思いを経験すると、顧客は二度と戻ってこないかもしれない——。

 カスタマーサービスのソフトウェアをクラウドサービスとして提供するZendeskは2月18日、オンラインセミナー「ニューノーマル時代の顧客エンゲージメントとは? - CX Trends 2021」を開催。米本社 アジア太平洋地域(APAC) カスタマーエクスペリエンスストラテジスト Malcolm Koh氏と日本法人カスタマーサクセス部 シニアマネージャー 佐藤祐子氏が登壇して、CXの現在のトレンドなどを解説した。

世界から見て特殊な日本人

 Koh氏は「あらゆる点で前例のない1年だった」と2020年を振り返った。各国政府が外出自粛を呼びかけた結果、企業の顧客はオンラインに殺到し、リモートワークに移行したサポート業務の負荷が増大した。

 175カ国9万社超の企業データを収集、分析して、2021年で3回目の発行となる「Customer Experience Trends Report(CXトレンド分析レポート)2021」によれば、顧客の75%は商品やサービスを購入する際にCXを重視するが、一度でもCXに不満を覚えると顧客の50%は他社を選択するという。

 他方で日本の消費者は不満時の乗り換え率は61%と世界の平均値よりも高く、「サポート体験に高い期待を持っている」(佐藤氏)

 また、顧客体験に人工知能(AI)を活用する割合は2020年の16%から28%と向上しているものの、「世界と比べると低く、たとえばオーストラリアは40%」(佐藤氏)と大きく水をあける結果となった。

 2021年のCXトレンドとして、「CXへの注力」「会話型エクスペリエンスへの対応」「アジリティの強化」「従業員の働き方や連携体制の見直し」「デジタル化」の5つだと分析した。

 コロナ禍での問い合わせ件数は史上最高を記録し、顧客とのコミュニケーションは前年度比20%も増加。顧客の64%は新たなコミュニケーション手段を選択している。

Zendesk カスタマーサクセス部 シニアマネージャー 佐藤祐子氏
Zendesk カスタマーサクセス部 シニアマネージャー 佐藤祐子氏

 日本の顧客もサポートチャネルを利用する割合が増加する傾向にあり、コロナ禍で初めて利用した割合は61%。そのうち23%がウェブでの問い合わせフォームを利用しているものの、アジア太平洋の初利用チャネルがメッセージング(32%)だとの回答や「グローバル企業の31%がSNS系メッセージングをサポートチャネルとして採用したいとの回答に対して、日本はわずか8%」(佐藤氏)という結果は、日本市場の特異性を浮き彫りにしている。

 Zendeskは5つのCXトレンドと合致しつつ、自社のサービスを採用した企業の事例として、米コンビニチェーン大手7-Elevenのケースを取り上げた。Koh氏は「7-Elevenはコロナ禍以前から配達をはじめとする顧客需要に対応する体制作りに取り組んでおり、コロナ禍はその計画を加速させたにすぎない」と説明する。

 具体的な取り組みとしては、非接触型24時間宅配サービス「7NOW」の強化。需要増に対応するため、他社宅配アプリケーション基盤との提携も実施した。さらにZendeskのプロフェッショナルサービスチームを利用したカスタムアプリケーションの開発で注文管理や返金業務に対応し、従業員の労働体験も改善させているという。

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