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コロナ禍でも堅調な日本のスタートアップ--VCなどのトレンド

末岡洋子

2021-03-30 06:30

 ここ数年、堅調に成長してきた日本のスタートアップ分野。コロナ禍は大きな打撃にならなかったようだ。アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)が3月25日、インキュベイトファンドの村田祐介氏を招いてメディア向けラウンドテーブルを開催し、投資動向などについてディスカッションした。

スタートアップの調達金額は10年で7倍、年5000億円規模に

インキュベイトファンドの村田祐介氏
インキュベイトファンドの村田祐介氏

 村田氏が設立し、現在代表パートナーを務めるインキュベイトファンドは、独立系のベンチャーキャピタル(VC)だ。村田氏は、22年にわたってスタートアップに関わっており、2015年から日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の企画部も兼務している。インキュベイトファンドは、シード段階のスタートアップ企業に集中投資するVCで、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連、公共機関、研究開発を伴う先進テクノロジー(ディープテック)の3分野を重点投資領域として、2020年7月に250億円のファンドを立ち上げたという。

 日本のスタートアップにおける資金調達額は、2012年以来、右肩上がりで増加してきた。2019年は5254億円で、2020年はコロナ禍で2019年を下回るものの、5000億円程度になる見込みという。

 投資者によってもトレンドがある。日本は歴史的に金融機関の子会社のVCなどが多く、2020年は42%がVCだった。一方で、最近は企業(事業法人)による投資が増えており、2020年は3分の1が事業会社からだった。「コロナ禍で企業がスタートアップに投資するのを手控えるかと見られていたが、むしろ増えた」と村田氏は話す。

 コーポートベンチャーキャピタル(CVC)の動きも活発で、新規設立数は2015年以降2桁で増えてきた。このところ松竹、日本郵政、JRなど伝統産業のプレイヤーによるCVCの立ち上げが増えているとのこと。JVCAへの参加についても、CVCは2012年は0件だったが、2021年2月時点で83社という。村田氏は、「CVCまたは大企業そのものによる合併・買収を通じたオープンイノベーションが年々熱を帯びている」と分析する。

投資先はAIが最多、ディープテックも

 投資分野としては、村田氏が「けん引役になっている」という人工知能(AI)を筆頭に、SaaS(Software as a Service)、フィンテック、クリーンテック、シェアリングエコノミーなどが上位に挙がった。「ネット由来の会社とディープテック領域が半々。MaaS(Mobility as a Service)、スペースベンチャーなど、大型の研究開発が必要な領域にも資金が集められるようになってきた」と述べた。

資金調達額が上位の領域(インキュベイトファンド資料より)、AIは2019年、2020年と投資先として最大の分野になっている
資金調達額が上位の領域(インキュベイトファンド資料より)、AIは2019年、2020年と投資先として最大の分野になっている
資金調達額が上位のスタートアップ(インキュベイトファンド資料より)、2020年に最も資金調達金額が大きかったのはタクシー配車アプリ「Go」のMobility Technologiesだ
資金調達額が上位のスタートアップ(インキュベイトファンド資料より)、2020年に最も資金調達金額が大きかったのはタクシー配車アプリ「Go」のMobility Technologiesだ

 こうしたトレンドの背景の1つとして村田氏は、「起業家のレベルが上がっている」と指摘する。これまでは、どちらかといえば大企業で活躍する人というよりアウトサイダーのような起業家が多かったものの、最近では大企業でもマネジメント候補に挙がる人が起業にチャレンジするようになっているという。

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