Microsoftは、Win32と「Universal Windows Platform」(UWP)の間にある溝を埋めるための取り組みをゆっくりと、しかし着実に進めている。米国時間3月29日、同社は「Project Reunion」がバージョン0.5の節目に到達したと発表した。1.0のリリースは2021年第4四半期の予定だ。
提供:Microsoft
Project Reunionは、アプリを書き換えなくても最新の「Windows」デスクトップの要素をWin32アプリで利用できるようにすることで、開発者がすべての「Windows 10」PCで動作する真の「Windowsアプリ」を作れるようにすることを目指している。2020年5月の「Build 2020」カンファレンスで、Windows Developer Platformチームは、まず2つのコンポーネント(「WinUI 3」と「WebView2」)のプレビュー版をリリースした。WinUI 3は、Windows 10用のモダンなネイティブUIフレームワークで、WebView2はウェブコンテンツをWindowsアプリに組み込むための仕組みだ。
Project Reunion 0.5では、WinUIライブラリー3、テキストレンダリング、ローカライズなどがサポートされている。バージョン0.5は「MSIX」を必要とする(バージョン1.0では不要になる)。Microsoftの目標は、Project Reunionをサポート対象のすべてのバージョンのWindowsで利用できるようにすることだ。現在はWindows 10バージョン1809(October 2018 Update)以降のみに対応している。
Project Reunionのチームは、GitHubで公開されているREADMEファイルで、「私たちは、Project Reunionを成長させ、Windows Application Platformが提供する力の大半を、モダンで、シンプルで、利用しやすい形で提供することを目指している」と述べている。
「アプリで使用するProject Reunionの機能が多いほど、パッケージングや、IDや、AppContainerや、将来のWindowsのエディションといった付加的なターゲットに対する備えができる。Project ReunionのAPIを利用すれば、あとはMicrosoftがそれらのAPIの動作をWindowsの進歩に合わせて維持するための仕事を引き受ける。Project ReunionのAPIサーフェスだけを利用していれば、アプリは最新の機能を使いながらWindowsの幅広いエディションとリリースに対応できる」
MicrosoftはProject Reunionによって、過去にユニバーサルアプリや「One Windows」プラットフォーム戦略で生み出した問題を解消しようとしている。One Windowsプラットフォーム戦略では、UWPがWin32アプリに取って代わることを期待し、開発者に既存のアプリを新しいプラットフォームに移行するための作業負荷がかかる可能性があった。しかし「Windows 8」の勢いがなくなり、開発者がUWPへの移行をためらったことなどから、Microsoftは方針を変更せざるを得なくなったとみられる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。