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日立製作所、上下水道事業関連クラウドにAIを活用した新機能

NO BUDGET

2021-04-13 15:23

 日立製作所は、上下水道事業を支援するクラウドサービス「O&M(Operation & Maintenance)支援デジタルソリューション」のラインアップに、人工知能(AI)を活用した設備診断、水質予測、運転支援の新機能を追加した。

 同社は、このソリューションを2018年10月から提供している。今回拡充した機能は、ポンプやブロワーなどの設備の状態を診断することでコンディションベースドメンテナンスを可能とする「設備状態診断機能」、原水水質を予測し薬品注入量などの適正化を支援する「水質予測機能」、学習した運転員のノウハウや判断に基づいて将来の需要予測や運転計画を提案する「プラント運転支援機能」になる。

 コンディションベースドメンテナンスは状態基準保全のことで、設備に対して劣化状況や故障リスクを考慮してメンテナンス要否を判断し、故障や使用限度前にメンテナンスを実施する考え方をいう。また、クラウドに集約した監視・点検データを組み合わせて運転管理や保全に有用な指標を算出・表示する「データ見える化機能」もラインアップに加え、データ解析系サービスを拡充する。

 なお、これらの機能は日立が運用を受託している浄水場において実証実験が行われ、それぞれ実効性が確認されている。

「設備状態診断機能」概念図
「設備状態診断機能」概念図

 設備状態診断機能では、ポンプやブロワーなどの設備の運転データを収集し、AIの一種のデータクラスタリング技術であるART(適応共鳴理論)手法を用いて、過去の正常な設備の運転データを事前学習させる。これにより、予兆診断の基準となるデータの相関関係を分類し、正常データのカテゴリーを自動生成する。その上で、実際の設備運転時に取得した新規データを自動分類し、正常カテゴリーと比較することで、運転状態が正常かどうかを診断する。これにより、不具合などの状態変化を早い段階で捉えるコンディションベースドメンテナンスが可能となり、大規模な故障に伴う損失コストの抑制や、整備間隔の延長などによる保全コスト縮減に貢献する。

「水質予測機能」概念図
「水質予測機能」概念図

 水質予測機能では、ディープラーニング技術を用いて、過去の運転実績データと環境条件(天候・水源)などのオープンデータを学習データとして予測モデルを構築し、予測結果を逐次提示、数時間先の原水の状態や処理水の水質を予測する。良好な水質を得るための客観的で適切な運転条件設定を支援することが可能となることで、業務の標準化、熟練者のノウハウや判断に依存しない水質管理を行う。

「プラント運転機能」概念図
「プラント運転機能」概念図

 プラント運転支援機能は、AIの一種である強化学習技術や統計解析により、運転員の知識や設備運用条件などのノウハウや判断を学習し、学習した条件に基づいて将来の需要予測や運転計画を提案することで、運転員の業務を支援する。これにより、業務の標準化、熟練者のノウハウ・技能継承を支援することが可能になる。

 さらに、2021年中に残塩管理機能も提供開始する予定。この機能は、配水池や給水栓における残塩の目標値を満足させるための塩素剤の注入率推奨値を反応モデルと塩素注入率や水温などのデータを用いて算出し、プラント運用条件に反映することで、適切な水質での安定供給を支援する。

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