Google Cloudは、電子商取引(EC)プラットフォームを巻き込んだパートナーエコシステムの構築に精力的に取り組んでいる。同社は、Shopifyとの提携拡大とSquareとの新たな統合について発表した。
Googleは5月半ば、年次開発者会議「Google I/O」で、Shopifyを利用するマーチャントが自社製品の販売で「Google検索」「Googleマップ」「Google画像検索」「Googleレンズ」、YouTubeを活用できるよう連携するため、両社が協力していることを明らかにした。「Googleショッピング」のエコシステム内で、マーチャントが購入意欲の高い消費者から発見されやすいように支援することが狙いだ。
Shopifyによると、その統合をもとに、より多くの地域でGoogle Cloudの技術を活用し、Googleのクラウドインフラを利用できるマーチャントを増やしていく。具体的には、Google Cloudを活用して、データ処理とストレージをマーチャントの身近にすることで、オンライン店舗のスピードとパフォーマンスを改善しつつ、遅延を減らし、買い物客によりパーソナライズされた体験を提供する。
さらにShopifyは、Google Cloud Partner Advantageプログラムに参加し、市場参入イニシアチブに共同で取り組む計画だ。
Shopifyによれば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で、同社のマーチャントは約1200億ドルの流通総額(GMV)を創出した。また、同社プラットフォームの新規店舗数は、2020年の第1四半期から第2四半期に71%増加した。同社の2020会計年度の売上高は前年比86%増加したほか、サイトのピークトラフィックは前月比20%増だった。
Shopifyのエンジニアリング担当バイスプレジデントのFarhan Thawar氏によれば、「COVID-19以来、消費者の84%がオンラインショッピングを利用している。そのため店舗のスピードとパフォーマンスを改善すれば、当社のマーチャントは購入者の居場所にかかわらず、優れたサービスを提供できるため競争的優位性を確保できる。またGoogle Cloudを通じて最もエネルギー効率の高い方法でそれを可能にできる」
また、SquareもGoogleとの提携を発表した。新たに「Google Merchant Center」と統合されたことで、同社プラットフォームの小売業者は商品カタログをGoogle Shoppingエコシステムに追加できる。ShopifyとGoogleの統合と同じように、製品リスティングがGoogle検索、Googleマップ、Google画像検索、Googleレンズ、YouTubeで直接表示されるようになる。なお、WooCommerceとGoDaddyも、Google Cloudと同種の統合に取り組んでいるという。
Googleでコマース、決済、NBUを担当するプレジデントのBill Ready氏は、「GoogleはSquareのようなプラットフォームと自然にシナジーを生み出せる。よりオープンなコマースエコシステムをサポートし、どのような規模の小売業者も強化できるよう取り組んでいるためだ」とコメントした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。