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マイクロソフトの社内用Linuxディストリビューション「CBL-Mariner」とは

Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2021-07-19 11:09

 「MS-Linux」や「Lindows」といった名称ではないが、Microsoftは今や、独自かつ純粋な汎用Linuxディストリビューション「Common Base Linux(CBL)-Mariner」を持つようになっている。そして、ほかのLinuxディストリビューションと同様に、ユーザーは自らでダウンロードし、実行することができる。驚くべき話ではないだろうか。では、次の段階はLinuxで「Windows」アプリケーションを実行できるようにするというものだろうか。いや、それももう可能になっている。

 ここで万感の思いを込めて、筆者とLinus Torvalds氏の言葉をもう1度聞いてもらいたい。MicrosoftはもはやLinuxの敵ではない。Amazon Web Services(AWS)やGoogleとは敵対関係にあるかもしれない。しかし、Linuxとは敵対していない。

 例を挙げると、同社はCBL-Marinerの公開時に鳴り物入りで宣伝し、騒動を巻き起こすようなことをしなかった。GitHubでコードをひっそりと公開し、誰もが利用できるようにしただけだ。実際のところ、CBL-MarinerのISOイメージの作成方法に関するガイドは、Microsoftの「Azure VMware Solution」担当シニアプログラムマネージャーJuan Manuel Rey氏によって最近公開されたばかりだ。それ以前も、Linuxに詳しい人であれば、ちょっとした手間をかければ実行できたが、今ではRey氏のおかげで、ほんの少しのLinuxスキルがあれば誰でも実行できるようになっている。

 CBL-Marinerはデスクトップ向けのLinuxではない。サーバーサイドのLinuxだ。

 MicrosoftブランドのこのLinuxは、社内用Linuxディストリビューションという位置付けになっており、同社のクラウドインフラやエッジの製品、サービスで使用することが想定されている。主な役割は、一貫したLinuxプラットフォームをこれらのデバイスやサービスに提供することだ。

 CBL-Marinerの設計思想は、クラウドやエッジのサービスというニーズに対応する場合、共通の小さなコアパッケージ群があれば十分だというところにある。それ以上の何かが必要になる場合に備えて、CBL-Marinerは共通コアの上に追加パッケージを容易にレイヤーとして構築できるようになっている。この設計思想とシンプルなビルドシステムによって、SPECファイルとソースファイルからRPMパッケージを容易に作り出せるようになる。また、ISOイメージや仮想ハードディスク(VHD)イメージを作成するために使用することもできる。

 CBL-Marinerは非常に軽量なLinuxだ。ユーザーはCBL-Marinerをコンテナー、あるいはコンテナーのホストとして利用することができる。限られたディスクとメモリーリソースのみを利用し、アタックサーフェスも最小限となる。RPM経由でセキュリティパッチを導入するのも簡単だ。セキュリティの機能に関する詳細は、GitHubに書かれているCBL-Marinerのセキュリティ機能一覧で確認できる。

 その他のLinuxディストリビューションと同様に、CBL-Marinerは過去の成果に基づいたものとなっている。Microsoftは、セキュアなLinuxベースのOSを開発しているVMwareの「Project Photon OS」や、「The Fedora Project」のほか、Linuxをソースコードから構築するための指針となる「Linux from Scratch」や、「openmamba」、さらにはGNUフリーソフトウェア財団(FSF)に対して謝意を表明している。

 CBL-Marinerを試用する場合、「Ubuntu 18.04」上でビルドすることになる。Go言語の最新版やDockerも必要になる。

 デフォルトのビルドシステムが「Ubuntu」だとはいえ、CBL-Mariner自体はかなりの部分においてFedoraの成果に基づいているようだ。例を挙げると、CBL-MarinerはDandified Yum(DNF)ベースのRPMパッケージマネージャーとして「Tiny DNF」を使用している。また、イメージベースのアップデートメカニズムとして「RPM-OSTree」を採用している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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