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松岡功の「今週の明言」

デジタル庁の審議官が語った「量子技術がもたらすインパクト」とは

松岡功

2021-09-03 11:13

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、デジタル庁 デジタル審議官の赤石浩一氏と、OniGO 代表取締役の梅下直也氏の発言を紹介する。

「量子技術の活用は国家や社会全体をリデザインすることにつながっていく」
(デジタル庁 デジタル審議官の赤石浩一氏)

デジタル庁 デジタル審議官の赤石浩一氏
デジタル庁 デジタル審議官の赤石浩一氏

 日本での量子技術の実用化を加速する任意団体「量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)」が9月1日、設立会員24社による総会の承認を得て発足した。赤石氏の冒頭の発言は、産官学が連携する同協議会の設立記念シンポジウムのキーノートで、量子技術の重要性と同協議会の活動への期待を込めて語ったものである。

 同協議会の中心となる運営委員会には、東芝、トヨタ自動車、NEC、NTT、日立製作所、富士通、三菱ケミカルの7社が名を連ねた。設立会員にもさまざまな業界の有力企業が参加している。設立の主旨や活動内容については発表資料をご覧いただくとして、ここでは赤石氏のスピーチに注目してみた(写真1)。

写真1:量子技術による新産業創出協議会 設立総会の様子(出典:東芝の発表資料)
写真1:量子技術による新産業創出協議会 設立総会の様子(出典:東芝の発表資料)

 同日は折しもデジタル庁の発足とも重なり、赤石氏は内閣府科学技術・イノベーション推進事務局長からデジタル審議官に就任。デジタル監に就いた石倉洋子氏(一橋大学名誉教授)と共に事務方をけん引する役目を担う。また、産官学連携の官から今回の協議会設立に尽力してきたキーパーソンでもある。

 そんな赤石氏はスピーチで、「私にとって協議会とデジタル庁の発足が同じ日になったのは必然だ。これからのデジタル庁の活動と量子技術戦略は一体化したものになっていく」と力説。その背景となる考え方について次のように話した。

 「政府が推進するSociety 5.0は人間中心の社会であることが大前提だが、イメージしているのは、サイバー空間に国家や社会を再構築して、その空間でさまざまな活動やシミュレーションを行い、全体最適化をリアルタイムに図っていく形だ。そこで国民のWell-beingなどを追求し、リアルなところに反映していくと。ただ、そうしたSociety 5.0を実現するのは、現在のデジタル技術の水準では難しい。そこで、必要になってくるのが量子技術というわけだ」

 さらに、こう続けた。

 「量子技術の動向で注目しているのは、幅広い分野で実際に使えるようになる時期はいつかということだ。ひと頃は2050年とも言われて、まだまだ先の話だと受け止められていたが、今ではもう実用化に向けた議論が行われている。そのスピード感において、日本は先進国と比べて後れているという危機感をもっと持つべきだ。その意味でも今回発足した協議会の果たすべき役割は非常に大きいのではないか。量子技術の活用は国家や社会全体をリデザインすることにつながっていく。協議会がそのけん引役となってほしい」

 冒頭の発言はこのコメントから抜粋したものである。赤石氏の強い思いを感じたスピーチだった。

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