ある指標によれば、Pythonは間もなくCとJava以外の言語として初めてランキングの首位の座に着くプログラミング言語になるかもしれない。
この数年間のPythonは、20年の歴史を持つプログラミング言語ランキングであるTIOBEインデックスで、JavaとC言語の背中を追う3位の座にあったが、最近になってJavaを追い落とし、Cに次ぐランキングの2位に浮上している。
ソフトウェアテストの企業であるTIOBEは、著名なウェブサイトや検索エンジンにおけるプログラミング言語の検索状況に基づいてランキングを作成している。TIOBEのランキングは毎月更新されているが、その結果の傾向はほかのプログラミング言語人気ランキングとは異なっている。例えば、米電気電子学会の学会誌「IEEE Spectrum」のランキングでは、少なくとも2020年以降はPythonが首位になっており、Java、C、JavaScriptなどが上位となっている。またソフトウェア開発に特化した調査会社であるRedMonkの最新ランキングでは、JavaScriptが1位で、Python、Javaがそれに続いており、Cは10位だ。
1970年代に生まれたC言語が現在でもよく使われているのは、ハードウェアに直接アクセスできる基礎的な言語であるためだが、メモリー関連の脆弱性が発生しやすいという問題も抱えている。Mozillaが支援し、開発されたRustは、システムプログラミングでC言語の代わりになる言語として期待されている。例えば、Googleが一部で「Android」の開発にRustを導入しようとしていたり、RustをLinuxカーネル開発の第2言語に採用しようとする活動も議論されている。またAmazon Web Services(AWS)はインフラ開発にRustを使用しており、Microsoftにも「Windows」や「Azure」の開発にRustを使おうという動きがある。
ただし、Rustの人気はPythonには遠く及ばない。これは、Pythonが比較的習得しやすいのに加えて、「NumPy」や「TensorFlow」などの機械学習関連のライブラリーやフレームワークを豊富に利用できるためだ。
TIOBEの最高経営責任者(CEO)であるPaul Jansen氏は、9月のランキングへのコメントで、「PythonがTIOBEインデックスの首位にこれほど近づいたことはない」と述べている。
「Cと順位が逆転するまでの差は0.16%しかなく、これはいつ起こっても不思議ではない。もしPythonが1位になれば、TIOBEインデックスが新たな節目を迎えることになるだろう。これまで、ランキングの首位になったことがある言語は、CとJavaの2つだけだった」(Jansen氏)