今日最も高い人気を誇っているプログラミング言語「Python」の最新バージョン「Python 3.10.0」がリリースされた。これは、「Python 2.7」を置き換えるバージョンとして10年以上前に登場した「Python 3.x」系列に対するメジャーアップデートだ。
Pythonは、TIOBE Softwareが発表している人気プログラミング言語ランキングで20年前に姿を現して以来、今回(2021年10月)初めてJavaやC、JavaScriptを抑えてトップの座を獲得した。約30年前に生み出されたPythonの魅力は、容易に学習でき、機械学習(ML)分野で普及しており、Googleの「TensorFlow」やFacebookの「PyTorch」といった、人工知能(AI)分野での利用を助ける、サードパーティーによるソフトウェアライブラリーの大規模なエコシステムによって支えられているところにある。
「Python 3.9」の後継となる「Python 3.10」は、中核となるPython(CPython)開発者らが後方互換性に取り組みつつ、1年以上にわたって開発が続けられていた。
「Python Insider」ブログには、「Python 3.10.0は、プログラミング言語Pythonの最新メジャーリリースであり、多くの新機能と最適化を盛り込んでいる」と書かれている。
今回のメジャーアップデートには、「Python Enhancement Proposal」(PEP)の数々の機能が追加されている。Python 3.10における目玉機能の1つに「構造的パターンマッチング」がある。これはCやJava、JavaScript、Scala、Elixirで既に利用可能になっているデータ取り扱い機能だ。
リリースノートには、「match文とcase文によって、パターンとそれに関連するアクションを結びつけるという構造的パターンマッチング構文が追加された。パターンはシーケンス型やマッピング型、プリミティブ型のほか、クラスのインスタンスから構成される。パターンマッチングによってプログラムは複雑なデータ型から情報を抽出したり、データ構造に従って分岐したり、さまざまなデータの形式に基づいて特定のアクションを適用できるようになる」と書かれている。
さらに「構造的パターンマッチングの最もシンプルな形態は、case文のように変数とリテラルを比較するというものだが、Pythonにとっての真価は対象となるものの型や形状を取り扱えるというところにある」と続けている。
Pythonのコアコントリビューターは今週のミーティングで、アップデートについて説明した。
Pythonの生みの親Guido van Rossum氏は、「Python 4.0」がいずれ出てくるとすれば、Python 4.0への移行は、Python 2のコードからPython 3への10年に及ぶ移行のようにトラウマ的にはならないことを約束するとしている。同氏は2020年、「バージョン4があるとしても、3から4への移行は、2から3より1から2のようになる」とし、「われわれはまだ2から3へのPTSDに苦しんでいる」などとツイートしていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。