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損保ジャパンやISIDら、AI活用の気象リスク検知サービスと予兆保険を検証

大場みのり (編集部)

2021-11-19 10:54

 損害保険ジャパン(損保ジャパン)、SOMPOリスクマネジメント(SOMPOリスク)、電通国際情報サービス(ISID)は、農作物に被害をもたらす自然災害・気象リスクの発生を人工知能(AI)活用の予測モデルで早期に検知して対策を促す新サービス・保険について、検証を開始すると発表した。

 近年、日本各地で気候変動や異常気象に伴う自然災害が頻発している。自然環境のもとで行われる農業はリスクが大きく、気象の影響による農作物被害は深刻で、農作物の収量や品質、価格は不安定になっている。一方近年、食の外部化(中食/外食産業の発展)に伴い業務用農作物の重要性が増し、農作物にも一定の収量・品質・価格が求められるようになり、フードチェーンの安定化が求められている。

 損保ジャパンとSOMPOリスクは、農作物の収量・品質の安定に貢献するサービス・保険として、気象の影響による農作物被害を未然に防ぐ「リスク検知・アラートサービス」の開発と、被害を未然に防ぐための対策にかかる費用に保険金を支払う「予兆保険」の組成を目指している。2020年からビッグデータの取得や分析、農業IoTに強みを持つISIDと連携し、共同で取り組みを進めてきた。

 3社の役割は、損保ジャパンが「予兆保険」の組成、SOMPOリスクがリスク予測モデル開発/保険組成の支援、プロジェクトコーディネーション、ISIDが「リスク検知・アラートサービス」の開発(リスク予測モデル/サービスUIの開発)を担当している。

 取り組みでは、独自開発したAI予測モデルにより水稲の高温障害の発生を早期に予測するとともに、被害回避のために必要な追肥の実施を生産者に促すことで、米の収量・品質の安定化を図る。追肥にかかる費用を保険で補償するほか、無人ヘリコプターやドローンによる追肥作業の代行など、具体的な対策手段の提供もサービスに含めることを想定している。

 水稲の高温障害は、稲が実る時期(登熟期)に気温が高くなることで発生し、収量不足と品質劣化を引き起こす。登熟期の高温が予想された際に、登熟以前の早期の段階(栄養成長期)に追肥をすれば、被害の発生を抑えられると知られている。

 だが、1~2カ月先の気象を予想することは難しく、仮に高温が予想できても、追肥にかかる労働力の確保や費用負担は個々の生産者に委ねられることから、対策追が講じられるとは限らない。3社はこうした水稲の高温障害リスクと対策上の課題に対して、ソリューションを提供することを目指している。

 取り組みでは、水稲の生育条件や気象条件からAIによって早期に将来の高温障害発生を予測するモデルの開発を目指し、技術検証を行ってきた。これまでに、複数の都道府県農業試験場などからデータ提供や助言を得て、高温障害発生予測モデルのプロトタイプ構築を完了しており、今回社会実装に向けた検証フェーズへと移行することになった。

 今回は検証地域や品種を拡大し、水稲の高温障害予測モデルの精度のほか、追肥手段提供サービスも検証する。また、同検証の実施に参加するパートナー企業・自治体・研究機関を募集するという。

 同サービス・保険は、契約農家を抱える商社や米卸売事業者を主な利用対象としており、契約先の生産者にアラートサービスとリスク対策手段を提供することを想定しているが、生産者の直接利用も可能だとしている。

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