Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月1日、年次カンファレンス「re:Invent」で、データベース管理のさらなる自動化などを実現する新しいツールを発表した。「Amazon DevOps Guru for RDS」は、「Amazon Aurora」データベースの問題を自動的に検出し、解決できるよう支援する。また「AWS Database Fleet Advisor」は、自動化によってデータベースの迅速な移行プランを実現する。
AWSは2020年、機械学習を利用して、データベースの問題を含むアプリケーションの問題を自動的に検出し、ユーザーにアラートを送る「DevOps Guru」サービスを発表した。Amazon DevOps Guru for RDSはそれを発展させたもので、Amazon Auroraを使用する開発者がデータベースのパフォーマンスに関する問題を検出、診断、解決できるようにする。
AWSの人工知能(AI)および機械学習担当バイスプレジデントのSwami Sivasubramanian氏は、re:Inventの基調講演で、このサービスによって「解決策を数分で見出すことができる」と述べた。
DevOps Guru for RDSは機械学習を利用し、ホストリソースの過剰利用、データベースのボトルネック、SQLクエリーの誤動作など、さまざまな問題を特定、分析する。問題が検出されると、ユーザーはDevOps Guruのコンソール、もしくは「Amazon EventBridge」や「Amazon Simple Notification Service(SNS)」からの通知で確認できる。
またAWSは、移行プロセスを容易にするデータベースツールも発表している。この新しいAWS Database Fleet Advisorはデータベースフリート全体の移行を自動化するサービスで、現在プレビューが提供されている。
Sivasubramanian氏は、「データベースフリート全体を移行するためのプランニングは困難を伴う」と話した。データベースのインベントリーを管理し、それぞれに適切な移行パスを作成して、適切なAWSのターゲットサービスを決定しなければならない。このプロセスは手作業が非常に多いため、数週間から数カ月間かかることがある。また、サードパーティーの支援が必要になる場合も多い。
Sivasubramanian氏によると、AWS DMS Fleet Advisorでは、わずか数時間でこのプロセスが完了する。このサービスは、機能のメタデータ、スキーマオブジェクト、使用メトリクスの情報を含む、データベースのスキーマとオブジェクトを収集し、分析する。ユーザーは、ソースのデータベースをAWSのターゲットサービスに移行する際の複雑さを基に、カスタマイズした移行プランを構築できる。
さらに同社は、「Amazon RDS Custom for SQL Server」の一般提供開始を発表した。Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)Customは、ベースとなるOSやDB環境へのアクセスを必要とするレガシーなアプリケーションやカスタムのアプリケーション、パッケージアプリケーションなどのためのマネージドデータベースサービスだ。このAmazon RDS CustomがSQL Serverデータベースエンジンで利用可能になった。Amazon RDS Custom for SQL Serverは、クラウドでデータベースのセットアップ、運用、スケーリングを自動化し、データベースやベースとなるOSへのアクセスを提供する。権限昇格が必要な「SQL Common Language Runtime(CLR)」のような機能を有効にしたり、特定のドライバーをインストールしたりすることができるようになる。
この新サービスは、「Amazon RDS Custom for Oracle」のリリースに続くものだ。
「OracleとSQL Serverの両方に対応することで、より多くのユーザーがマネージドデータベースのメリットを得られるようになる」(Sivasubramanian氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。