この2年間で、経営陣のITチームに対する見方は変わった。経営者らは、自分たちの身を守るために、そして前進するための新たな方法を模索するために、IT部門の力を必要とした。予測不可能な激動の1年となるであろう2022年に入っても、顧客企業をつなぎ止め続けられるかどうかは、ITチーム次第だと言っても過言ではない。
では、誰がIT部門の責任者を支えてくれるのだろうか。ビジネスがバラバラになるのを防ぎながら物事を1つにまとめるのは、大変な仕事になるだろう。ITチームはデジタル化を進めるだけでなく、ITチーム自体がバラバラになるのを防ぐ必要もある。Ivantiが実施したエンタープライズITプロフェッショナルを対象とした調査によれば、各企業が今日直面している課題のトップ2は、デジタルトランスフォーメーションの流れに遅れずについていくこと(32%)と、IT人材を維持すること(26%)だった。回答者の61%が、IT部門は企業の成長とビジネス戦略にとって極めて重要であると考えていることも明らかになった。
ITチームには、成果を上げなくてはならないというプレッシャーがかかっている。PwCのパートナーであるJenny Koehler氏は、Harvard Business Reviewに掲載された記事で、「多くの企業幹部は、自分たちはクラウドや、人工知能(AI)や、あるいはその他の競合他社やITベンダーが誇っているその他の技術などを含む、デジタル投資の面で遅れていると感じている」と述べている。また多くの企業幹部は、今も「自由裁量で行える投資のかなりの部分を、既存技術を最新の状態に保つために投じている」という。
IT部門は新たに大きくなった役割と格闘している。Koehler氏らは、記事の中で「多額の投資にも関わらず、これらの技術のうち、顧客にとって本当に重要な、差別化を可能にするような成果を上げられるものは比較的少ない」と指摘した。
Koehler氏と共著者らは、組織がテクノロジーへの投資によって、競争上の強みとなる成果を実現するために検討するべき6つの必須事項を紹介している。これらは、IT担当役員やITプロフェッショナルがデジタル活用能力を事業部門に提供する上で重要になる。