調査

AI導入が進む中南米企業、顧客サービス分野で拡大--課題はスキル不足

Angelica Mari (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-01-05 10:36

 ITアナリスト企業のIDCが発表した調査結果によると、中南米の大規模組織の40%が2023年までに人工知能(AI)を導入する見通しだという。

 中南米の大企業5000社を対象に実施されたIDCの調査によると、同地域の企業はデータ管理やセキュリティなどの分野に関連するガバナンスサービスも求めているという。

 中南米でAIの導入が進んでいるが、企業の30%はスキルの不足や組織の既存のIT環境に関連するさまざまな課題が原因でAIを最大限に活用することができないだろう、とIDCは指摘した。

 これらの課題に取り組むために、企業は技術的な実装やAIの導入に必要な複雑な契約交渉に関する専門知識の構築に注力するとともに、自動化などの分野にも取り組む必要がある、とIDCは助言している。同社の予測によると、中南米語の組織の40%が2023年にデジタルサステナビリティーチームを設置する見通しだという。

 企業各社がクラウドからバーチャルワークスペース、接続性まで、さまざまな分野でサービスベースのテクノロジーを実装する中で、中南米の組織がIT予算を管理する方法も変化していくだろう、とIDCのレポートは指摘する。また、企業の約40%は、2025年までリモートワークをする顧客と職員の体験を向上させるために、これまでと異なる方法でハードウェア予算を割り当てる見通しだ。

 中南米におけるAI導入のトレンドとデータ共有の現状および今後の見通しについて、MIT Technology ReviewがGenesysと共同で実施した別の調査によると、2022年までにAIプロジェクトが加速する見通しだという。中南米諸国の回答者のほぼ3分の2は、プロセスの21%~40%がAIを使用するようになると予想している。最も急速に成長している分野は、物流、サプライチェーン管理、販売、マーケティングだ。

 中南米企業は主に顧客サービスのためにAIの導入を拡大させており、MIT TR/Genesysの調査では、回答者の55%がそのように回答している。同地域では、銀行と航空会社が最先端を行っており、チャットボットやバーチャルアシスタントを利用して、応答時間の短縮や管理負荷の軽減を実現している。レポートによると、AI顧客サービスを手がけるスタートアップも多数登場しているという。

 Boston Consulting Group(BCG)とMIT Sloan Management Review(SMR)の調査によると、中南米で人工知能システムを使用しているほとんどの企業は、このテクノロジーの使用から利益を得ているという。ただし、その割合は全世界の平均を下回っている。調査に参加した全世界のAI導入済み企業の55%はこのテクノロジーの使用を通して利益を得ており、11%は大きな利益を生み出している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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