Microsoftは米国時間3月8日、「Microsoft for Startups Founders Hub」プログラムをすべてのユーザーが利用できるようになったと発表した。同社は2021年秋にこのプログラムのプレビュー版をリリースして以来、改善を重ね、より多くのスタートアップが参加できるようにするほか、OpenAIの人工知能(AI)プログラミングインターフェーステクノロジーへのアクセスといったメリットを提供できるようにしてきた。
提供:Microsoft
Microsoftは、Startups Founders Hubプログラムの参加基準を引き下げており、アイデアを持った創業者が誰でもプログラムにアクセスできるようになっている。参加に先立って、ベンチャーキャピタルに関する要件やインキュベーター、アクセラレーターとの提携、サードパーティーによる検証は不要とされている。
このプログラムでは、スタートアップが「Microsoft Mentor Network」のメンターとつながることができるほか、スタートアップを中心とするトレーニングを提供している。また、さまざまなMicrosoftやサードパーティーのテクノロジーを割引価格で利用できる。一時的に資金を提供するだけでなく、スタートアップのライフサイクルのさまざまなポイントで、メリットを得られるようになっている。
このプログラムで改定した点について、筆者が詳細を同社に尋ねたところ、広報担当者は「Microsoftのこれまでのスタートアップイニシアチブは、クラウド利用のクレジットを一定期間付与するとともに、共同販売の機会を提供することに焦点を当てていた。スタートアップにとってはどちらも重要だが、『Microsoft for Startups Founders Hub』は創業者が最も必要としている部分を支援することを優先する新たなアプローチだ。まず1歩を踏み出すことだ」と回答した。
このプラットフォームで、スタートアップは自らのペースでビジネスを構築できる。Microsoftはスタートアップに対し、最高15万ドル(約1700万円)分の「Microsoft Azure」クレジットを提供する。利用可能なクレジットはスタートアップの成長の状況に応じて増加する。年間1000ドル(約11万円)相当のクレジットが得られる「Ideate」(アイデア立案)ステージから、規模を拡大する準備が整った(Scale)の12万ドル(約1400万円)までが用意されている。プログラムの一部として、「GitHub」や「Microsoft 365」などの開発ツールや生産性ツールを利用することもできる。
Microsoftは、OpenAIとのこれまでのパートナーシップについても明らかにしている。MicrosoftとOpenAIはこのプログラムの参加者に、1000ドル(約11万円)分のクレジット、3カ月間無料の「OpenAI API Innovation License」、OpenAIの専門家による無料コンサルティングを提供する。OpenAIは、AI言語モデル「GPT-3」を開発している。
Microsoftは2019年、OpenAIに10億ドル(約1100億円)を出資した。MicrosoftはOpenAIの「新たなAI技術商用化の優先パートナー」となっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。