スーパーストリームは5月23日、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SuperStream-NX」をインボイス制度に対応させた「SuperStream-NX 2022-06-01版」を発表した。6月1日から提供する。
このタイミングでリリースした理由について同社 取締役 企画開発本部長 木下昭彦氏は「顧客に(インボイス制度の)具体的なイメージを持っていただき、計画的かつ安心して対応準備してもらうのが製品戦略の一つ」であると説明した。
税別価格は、「SuperStream-NX統合会計」のベースユーザーライセンスが5ユーザーで500万円から、「SuperStream-NX固定資産管理」のベースユーザーライセンスが5ユーザーで400万円から、単独導入の場合は500万円(5ユーザー)から。価格はいずれもオンプレミス版。クラウド版ライセンスも用意し、年間500社の導入を目指す。
帳簿に消費税額などを記載、保存
政府は2023年10月1日から、消費税の仕入れ税額控除方式としてインボイス制度を導入する予定だ。売り手側(適格請求書発行事業者)は取引相手の求めに応じて、適格請求書(インボイス)の交付と写しを保存する義務が課される。
また、買い手も仕入れ税額控除の適用を受けるため、原則として取引相手となる登録事業者からインボイスを受領し、帳簿に消費税額などの記載や保存が定められている。
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煩雑な制度変更といえば、各税法で保存が義務付けられている帳簿や書類をデータで保存できる、改正電子帳簿保存法(電帳法)も同様だ。スーパーストリームが2月に実施した調査によれば、改正電帳法について、50.3%が対応済み、一部対応を終えているものの、今後対応を予定している割合は34%、不明は11.8%にも上る(有効回答数210)。認知や浸透度の低さから突然2年間の猶予期間を設けたことは記憶に新しい。
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上図はスーパーストリームによる適格請求書の概要だが、新たに適格請求書発行事業者の登録番号、税率ごとに区分した消費税合計額の記載が必要になる。未改修のシステムを運用している企業が「締め切り処理している場合、運用の変更やシステム修正が必要」(スーパーストリーム マーケティング部長 瀧頼子氏)だ。
SuperStream-NXは複数の機能を組み合わせ、事務管理部門を支援するものだが、今回インボイス制度に対応するには、財務会計や支払い管理、債権管理を担う統合会計と、固定資産管理やリース資産を管理する固定資産管理、「建設仮勘定管理OP」の3つ。インボイス制度を前提とした会計データの入力や仕訳伝票とインボイスのひも付け保存、免税事業者との取り引きにも対応した。
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売り手側はインボイス対応請求書のメール送信やPDFファイルの保存・検索機能を利用できる。固定資産情報にインボイス情報を登録し、会計仕訳に連携させることで、固定資産の取得時や資産除却・売却時の業務負担を軽減できるのは大きい。
また、リース資産・建設仮勘定の会計仕訳連携機能も備えるものの、インボイス発行や保存機能は12月提供開始予定の新版で実装する予定だ。
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(左から)取締役 企画開発本部長 木下昭彦氏、代表取締役社長 村松昇氏、マーケティング部長 瀧頼子氏