経理人材不足を感じるのは7割--ブラックライン、経理部門のDX推進と人材の実態で調査

河部恭紀 (編集部)

2022-07-15 09:52

 クラウド型決算プラットフォームを提供するBlackLineの日本法人であるブラックラインは7月14日、「企業成長とガバナンスを支える経理部門のDX推進と人材の実態と課題」調査の結果を明らかにした。74%が自身の所属する経理部門で「経理人材の不足」を実感しており、人材の定着・獲得にはデジタル化による生産性の向上が必要だという。

 同調査は、将来の予測が困難なビジネス環境における、日本企業の経理部門の現状と課題意識を把握することを目的とし、日本CFO協会の会員を主体とした日本企業の経理・財務幹部を対象に2022年5月17日〜6月15日に実施された。

 日本企業が現在直面する課題として「継続的な企業成長」「不適切会計への対応」をブラックラインの代表取締役社長である宮﨑盛光氏は挙げる。不確実性の高い未来に向けて企業成長を続けるためには海外展開と合併・買収(M&A)は必要不可欠だという。一方、不適切会計が増加しており、「20社を超える関係会社または海外関係会社を保有している企業のうち、7割強で不正が発生している」ことがデロイトトーマツグループの調査で明らかになっている。

 そのため、企業では、事業・拠点拡大しても会計不正が起きない仕組みやそれを作る経理人材が必要とされているが、今回の調査によると、74%が自身の所属する経理部門で「経理人材の不足」を実感しているという(図1)。

図1
図1

 経理人材の定着・獲得に必要な要素として、給与水準(62%)に続いて、「経理として数字をまとめる仕事よりも数字を生かす仕事に注力できる(48%)」「リモートワークやフレックスタイムなど、働き方が柔軟(44%)」「デジタル活用に積極的で、洗練された仕事の進め方を追求している(42%)」が挙がっている。

 「デジタル化により生産性が上がれば、高付加価値業務ができ、人材定着・獲得につながる。生産性が上がり、かつ、人材が獲得できれば、余力が生まれて、ガバナンス強化のための仕組みづくり、属人化を排したガバナンス強化につなげることができる。生産性、人材、ガバナンスは密接に関連している」(宮﨑氏)

生産性向上はDXツール導入で終わりではない

 経理財務部門におけるデジタルトランスフォーメーション(経理DX)は、リソース不足により取り組めていない場合も含めると、ほぼ全ての企業が必要性を感じていることが調査で分かっている。

 経理DXに取り組んでいる・必要性を感じている背景として、生産性を向上させ、経営の意思決定サポート強化のための時間を作り出すことを掲げた企業が最も多かった。加えて、少数精鋭に頼りすぎ、手作業が多くて抜け漏れのリスクがある、といったガバナンス強化に関連した回答をする企業も多かった。また、従業員のエンゲージメント強化や人材の定着を掲げる企業が増えてきているという。

 「自社の経理財務部門は生産性高く業務できていると思いますか」という質問に対して、「そう思う」「まあそう思う」の合計が33%で、残りの67%は「生産性高く業務ができていない」と感じている。DX推進などを進めている企業が増えてきているものの、経理財務部門の生産性は引き続き課題があると感じている企業が多いとデロイトトーマツグループのパートナーである三好巧氏は述べる。

 生産性高く業務ができていないと考える企業は、主な理由として「デジタル化が進んでいない(77%)」を挙げる。生産性高く業務ができている企業では、「改善活動に継続して取り組んでいる(56%)」「業務プロセスの標準化が進んでいる(54%)」が「デジタル化が進んでいる(41%)」を上回った(図2)。

図2
図2

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