ヤマト運輸は、社内のデータ問い合わせ窓口「データコンシェルジュ」業務に、ITサービスをクラウドで一元管理する「IT Service Management(ITSM)」を導入した。ITSMを提供するServiceNow Japanが発表した。
ヤマトグループでは、「データに基づいた経営への転換」を推進しており、同グループが有するデータを収集・統合し、修正して使える状態に整理するデータコンシェルジュを設けている。
データコンシェルジュは、データサイエンティストから求められるデータを、すでに整理されているデータカタログのどこにあるかをアドバイスする役割を担う。しかし、未整理のデータは複数のコミュニケーションツールや電子メールを活用し、必要なデータの有無を担当者に問い合わせるなどの工程が発生していた。
そこでヤマト運輸は、2021年6月よりクラウド運用や構成管理で活用していたITSMをデータコンシェルジュに導入した。また、ServiceNowのITSMはローコード・ノーコード開発に対応しているため、データサイエンティストやデータコンシェルジュの視点で使いやすいシステムに改良できるという。
今回の導入で、データコンシェルジュが対応できる1カ月のデータ件数は1.5倍に増え、データの納期は約1カ月から約2週間に短縮できた。データ確認の進捗状況を可視化することで、データの納期がいつになるかのめどが立ちやすくなり、社内の円滑なコミュニケーションにも寄与している。また、これまでの履歴をナレッジとして蓄積することができるため、過去の問い合わせを参照することも可能になった。
ヤマト運輸では今後、データサイエンティストやデータコンシェルジュの視点で使いやすいシステムに改良を重ね、蓄積されたナレッジからデータサイエンティストが自ら検索して必要なデータを探し出せる仕組みの整備を検討していく。