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「ひとり情シス」の本当のところ

第43回:列伝3人目「武闘派型ひとり情シス」

清水博 (ひとり情シス協会)

2022-08-30 07:00

ひとり情シスから社長の参謀へ

 ひとり情シス協会が編集した「ひとり情シス列伝」の第三章は、従業員600人超の中堅企業でひとり情シスをされている中堅企業の中川一夫さんです。企業のIT環境をフルでサポートしているケースとしては最大規模のひとり情シスといえるでしょう。

 現在の中川さんは社長の右腕として参謀のような存在で、IT化やデジタル化、データ活用によるビジネスの成長戦略を推し進めています。IT関連の難関資格にも挑戦して計画的に合格するなど、とてもスマートな印象を受けます。そんな中川さんも社会に出た20年ほど前は、絶望的な状況に立ちすくんでいたようです。

 中川さんはITベンダーでキャリアをスタートさせ、その後、ユーザー企業の情シスに転職しました。日本ではIT人材がIT産業側に偏っています。しかし、昨今のデジタル化の流れの中で、最近ではユーザー企業でも積極的にIT人材を増員する動きがあり、ITベンダーからユーザー企業に転職する動きもみられます。

 中川さんは列伝で7つの提言をされていますが、ここではフルアウトソーシング体制についてのアドバイスを紹介します。IT系の職種は幅広いですが、さまざまなキャリア形成のストーリーを知ることで、情シス業務に役立つ部分がありましたら幸いです。

提言:「ほぼフルアウトソーシング体制のひとり情シス」

 さまざまなひとり情シスや情シス担当者と話をすると、意外に自分よりもはるかに手を動かしていると感じます。私も手を動かすことは嫌いではないので、他のひとり情シスや情シスの人と話をすると、意外に自分よりもはるかに手を動かしていると感じます。私も手を動かすことは嫌いではないので、トップからの要求が年がら年中来なければ、たぶんそうしているでしょう。

 わが社は帳票がとても細かいレベルで集計され、詳細なセグメントやアクティビティーベースの単価管理の傾向を把握する必要もあります。そのため、受注ベース、売上ベースでのインデックスの追加も頻繁にあります。また、毎日のように非定型データの「あのデータ抽出してくれ」「過去のデータから将来予測を類推してくれ」などの要求が来ます。こちらの方がビジネスに大きなインパクトがあるので、手を動かすならこちらだと思っています。あくまで自分が動くのはビジネス的に攻める分野であるべきだと考えています。

 時間があれば全部自分でやりたいのですが、今では自分自身で理解している部分で、かつ手が足りない部分をアウトソーシングするように意識しています。自分で分かっていないと問い合わせをすることもままならないですし、問題の切り分けもできないので、しっかりとした知見を身に付けた上で、アウトソーシングすべきところは徹底するように心掛けています。

 正直なところアウトソーシングの費用は年々増加しています。最初はスポットで100万円、200万円というレベルでしたが、次第に1000万円、2000万円という単位に増額しています。よくITベンダーの方にも聞かれることなのですが、ITの投資対効果をいちいち社長に説明していません。あくまで、全社の受注金額や利益が増加していく中で了承してもらっています。ITの投資対効果を明確に表せる技術があれば、会社の業績を伸ばす方が簡単ではないかと思います。

清水博
清水博(しみず・ひろし)
一般社団法人 ひとり情シス協会
早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス)におけるセールス&マーケティング業務に携わり、米ヒューレット・パッカード・アジア太平洋本部のディレクターを歴任、ビジネスPC事業本部長。2015年にデルに入社。上席執行役員。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手掛けた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。中堅企業をターゲットにしたビジネスを倍増させ世界トップの部門となる。アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。2020年定年退職後、会社代表、社団法人代表理事、企業顧問、大学・ビジネススクールでの講師などに従事。「ひとり情シス」(東洋経済新報社)、「ひとり情シス列伝」(ひとり情シス協会出版)の著書のほか、ひとり情シス、デジタルトランスフォーメーション関連記事の連載多数。産学連携として、近畿大学CIO養成講座、関西学院大学ミニMBAコース、大阪府工業協会ひとり情シス大学1日コースを主宰。

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