現在のランサムウェア攻撃の半数以上は、リモートから利用可能なサービスや、インターネットからアクセス可能なシステムの脆弱性を悪用することから始まっている。
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セキュリティ企業のSecureworksが発表した、過去1年間に発生したランサムウェアインシデントを分析したレポートによれば、攻撃の52%ではリモートサービスの悪用が起点になっていた。
インターネットからアクセス可能なアプリケーションの脆弱性の悪用は、ランサムウェア攻撃に最もよく使用される攻撃手段となっている。これらのアプリケーションやサービスがインターネットからアクセス可能になっているのは、リモートワークに必要だからである場合もあるが、単に企業がそれらのアプリケーションが露出していることに気づいていない場合もある。
Secureworksは、ランサムウェアの攻撃に利用されることが多い脆弱性として、「Microsoft Exchange Server」や「Fortinet VPN」、「Zoho ManageEngine ADSelfService Plus」などの脆弱性を挙げているが、いずれも各ソフトウェアのベンダーから公式に修正パッチが提供されている。
しかし、セキュリティパッチが提供されていても企業がそれを適用しておらず、システムが脆弱なままになっているケースも少なくない。
特に、脆弱性に関する情報が新たに公開されてから間もない時期には、パッチが公開されて企業がそれを適用する前にその脆弱性を悪用しようと、サイバー犯罪者が素早く活動するためリスクが大きい。
調査対象となったランサムウェアインシデントの半数以上がインターネット経由で悪用可能な脆弱性を起点としていた一方で、39%のインシデントでは、認証情報(ユーザー名とパスワード)の漏えいが攻撃の起点になっていた。
ユーザー名やパスワードを盗む方法はいくかあり、これにはフィッシング攻撃や情報を盗むマルウェアへの感染などが含まれている。また、脆弱なパスワードやよく使われるパスワードを総当たり攻撃で破る方法もよく使われている。
Secureworksはランサムウェア攻撃を防ぐにあたって有効な対策として、セキュリティパッチの適用のほか、多要素認証の導入を挙げている。
特に、重要なサービスにアクセスするアプリケーションやアカウントに多要素認証を導入すれば、たとえパスワードを盗まれてしまっても、サイバー犯罪者がネットワークに侵入して内部で動き回るのはかなり難しくなる。こうした対策は、ランサムウェア攻撃を事前に阻止するために非常に大きな力になる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。