NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は10月18日、法人顧客向けイベント「docomo business Forum '22」を21日まで4日間の日程でスタートさせた。同社は7月1日にNTTコムウェアとともにNTTドコモの傘下となり、モバイルを組み合わせた新たなソリューションなどを発表している。
同イベントは、前回の2021年まで「NTT Communications Forum」の名称で実施され、ドコモグループとなったことで名称が変更された。コロナ禍で直近2回はオンライン開催のみだったが、今回はリアル会場とのハイブリッド形式で行う。期間中はオンラインで約1万3000人、リアルで約2000人の合計1万5000人の参加を見込む。
この日までに同社は、新たな施策として「グリーンプログラム for Employee」「IoT冗長化ソリューション」「車載向けセキュリティ」「移動型IoT向けネットワークエッジ」の4件の報道発表を行い、イベント会場でその内容を展示している。
まず「グリーンプログラム for Employee」は、世界的な温室効果ガスの排出削減の取り組みを企業が推進する上で、環境問題に対する従業員の意識を醸成するソリューションになるという。
「グリーンプログラム for Employee」のモバイルアプリ
企業は、このプログラムのモバイルアプリを従業員に利用してもらう。従業員はアプリで環境問題にトピックを参照したり、設問に回答して自己の認識度合いを把握したり、日常で温室効果ガス排出削減の行動をどのようにしているかを記録する。企業の管理者は、従業員の環境意識がどの程度向上しているかなどの状況を数値やグラフで定量的に把握できる。これを活用した環境への取り組みを推進することで、企業価値の向上が期待されるとしている。
同社はアプリ提供に加えて、今後は蓄積されたデータの活用支援サービスや、ユーザー企業における行動変容を実現させるためのコンサルティングサービスも提供する予定とのこと。11月は、約2万5000人のNTT Comと関連企業の従業員による大規模なトライアルを実施し、その成果も今後のサービス開発に生かすという。
「IoT冗長化ソリューション」は、ビル設備機器や店舗決済装置、監視カメラ装置などモバイルを利用するIoTシステムの通信回線を冗長化する。通常はNTTドコモを主回線として利用し、万一通信回線に障害が発生してデータの送受信ができない場合に、自動的に別の通信事業者の副回線に切り替えて通信を行う。障害復旧後は自動的に主回線に戻る。
ソリューションでは、ドコモのIoT機器運用管理サービス「ドコモIoTマネージドサービス」とNTT ComのIoT向けモバイルデータ通信サービス「IoT Connect Mobile Type S」を組み合わせた。IoTデバイスに接続して通信を行うルーターで2つの事業者回線を利用でき、そのための契約手続きなどや障害対応をNTT Comが一括して対応し、副回線はKDDIになるという。
「IoT冗長化ソリューション」のデモンストレーション。通信回線をKDDIに自動切り替えした様子
2021年秋にドコモで、2022年夏にKDDIで大規模障害が発生。「IoT冗長化ソリューション」は両事案とは直接関係しないとのことだが、業務IoTシステムが既に社会インフラとなっているだけに、展示会場ではひときわ来場者の関心を集めている。