「macOS」は非常にユーザーフレンドリーなプラットフォームの1つである。ほぼすべてのレベルで、開発者たちはAppleデバイスの操作のほぼあらゆる側面を簡素化することに懸命に取り組んできた。しかし、そうした簡素化のために柔軟性が犠牲になっていると感じるユーザーもいるだろう。
例えば、「Linux」を見てみよう。Linuxでは、あらゆることに多数の選択肢がある。ソフトウェアをインストールしたいときは、アプリケーションストアのGUIを使用してもいいし、コマンドラインからアプリケーションをインストールしてもいい。
macOSは、初期状態では、コマンドラインでのアプリのインストールをサポートしていない。しかし、そのような目的のために、コマンドラインインストール(CLI)機能を追加するツールがある。そのツールは「Homebrew」と呼ばれる。
Homebrewのウェブサイトによると、「Homebrewは、ユーザーにとって必要だが、Apple(またはLinuxシステム)がインストールしなかったものをインストールする」という。筆者はHomebrewについて、macOS用のaptやdnfのようなものと考えている。このコマンドラインパッケージマネージャーを使用すると、macOSの「App Store」で提供されていないソフトウェアをインストールできる。
Homebrewには注意点が1つある。「Mac」にインストールできるのは、コマンドラインツールだけであることだ。ただし、GUIソフトウェアのインストールを可能にする「Cask」という別のツールがある。
本記事では、HomebrewとCaskの両方をインストールして、それらが機能する仕組みを解説する。「macOS Monterey」がインストールされた「MacBook Pro」を使って説明を進める。
それでは、具体的な手順の説明に移ろう。
HomebrewとCaskをインストールする
1. ターミナルウィンドウを開く
皆さんの予想通り、Homebrewのインストールはコマンドラインから実行する。「ターミナル」アプリ(「Launchpad」にある)を開こう。
2. Homebrewをインストールする
ターミナルウィンドウで、以下のコマンドを実行して、Homebrewをダウンロードおよびインストールする。
ユーザーパスワードの入力を求められる。パスワードを正しく入力すると、インストールが開始される。インストールの完了には少し時間がかかることに注意してほしい。すべての処理が完了するのに5~20分かかるはずだ。
3. HomebrewでCaskをインストールする
インストールが完了したら、Homebrewを使用してCaskをインストールできる。Homebrewでアプリをインストールするには、brewコマンドを使用する。つまり、Caskをインストールするには、以下のコマンドを実行する。
brew install cask
Caskのインストールは、Homebrewよりもはるかに短い時間で完了する。
HomebrewとCaskを使ってアプリをインストールする
1. Homebrewを使ってインストールする
先ほど紹介したように、Homebrewでアプリをインストールする場合は、以下のコマンドを実行するだけでいい。
brew install APP
APPは、インストールしたいアプリの名前だ。例えば、「wget」コマンドラインダウンロードツールをインストールしたい場合は、以下のコマンドを実行する。
brew install wget
2. Caskを使ってインストールする
CaskでインストールしたいGUIツールが見つかったとしよう。例えば、「Airtable」をインストールしたい場合は、以下のコマンドを実行するといい。
brew install --cask airtable
実際には、Homebrewを使用してアプリをインストールしていることに注意してほしい。違いは、--caskオプションを使用して、GUIツールをインストールすることをHomebrewに伝えていることだ。
Caskでインストールできるアプリのリストを確認したい人は、HomebrewのCask対応ページを参照してほしい。Homebrewアプリの一覧については、こちらのページにアクセスしてほしい。これらのHomebrewおよびCaskアプリは、無料で使用できるものがほとんどだ。
HomebrewとCaskの両方をインストールして使用する方法の解説は、以上である。これらのツールをmacOSデバイスに追加すると、柔軟性が高まり、ソフトウェアの選択肢も広がるので、非常にお薦めだ。

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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。