2023年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長 古舘正清氏
2022年は、企業のクラウド利用拡大に加え、特にランサムウェアに代表されるサイバー攻撃の高度化が進みました。組織のセキュリティ対策の強化が急がれ、データ保護の重要性がますます注目を集める状況下で、Veeamは先進的データ保護の需要拡大に応え、順調に成長を遂げました。日本法人は、グローバルの成長を5年連続で大きく上回る伸びを記録することができました。クラウド利用の加速に伴い、特定のクラウドベンダーにロックインされない、自由度の高いデータ移動を求めるニーズおよびランサムウェア対策へのニーズが市場で高まってきていることがVeeamのビジネス成長を加速させています。
昨年は、大手通信キャリア、大手金融、大手流通、大手製造など、業界のリーディングカンパニーであるお客さまを数多くお迎えし、国内データ保護のエンタープライズ市場において実質的にトップリーダーの位置を確立できました。特に、日本赤十字社 大津赤十字病院のバックアップ刷新の事例公開は、ランサムウェア対策が急務となっている医療業界での対策の指針となり、大きな反響をいただいています。
また、SaaS向け製品である「Microsoft 365」のデータ保護についても、お客さまの数が前年より大幅に拡大しました。Kubernetes環境向けのバックアップソリューション「Kasten by Veeam」でも新規採用が進み、コンテナー市場でも順調な成果を残すことができました。
2023年に注力する分野として、業種別に特化したソリューションの提供があります。各業界が課題とするデータ保護のニーズにきめ細かく対応した提案を行い、新たなデータ保護ソリューションへ移行いただくことで、お客さまの災害復旧対策や事業継続計画(BCP)強化へ新たな付加価値の提供を実現していきたいと考えています。
また、国内でトップシェアを目指していくに当たり、強力なパートナーエコシステムの構築に向けて社内営業体制を大幅に強化しています。日本市場特有の高いサービスレベルの要望にさらに柔軟に対応していくために、本年も引き続き日本向けサポート体制の大幅な拡充を推進します。
2023年も、大手企業では引き続きクラウド移行が定着し、加えて中堅中小企業(SMB)でもクラウド化が加速していくと予想しています。また、深刻化するランサムウェアの対策に、当社が提唱するバックアップの「3-2-1-1-0」ルールの徹底を定着させることが急務となります。日本の市場ニーズにきめ細かく応えながら、エンタープライズからSMBまで全ての市場のお客さまの重要なデータ資産を、より一段高いレベルで保護できるようまい進してまいります。