内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)らが推進する「サイバーセキュリティ月間」(特設サイト)が2月1日にスタートした。期間は3月18日まで。期間中はイベントやオンラインなど通じてサイバーセキュリティに対するさまざまな啓発活動が行われる。
内閣サイバーセキュリティセンター 副センター長 内閣審議官の吉川徹志氏
同日開催のキックオフイベントに登壇したNISC 副センター長 内閣審議官の吉川徹志氏は、「サイバー攻撃は各種メディアでも日常的に取り上げられ、ランサムウェア攻撃やフィッシング詐欺などに誰もがさらされる脅威となっている。サイバー攻撃は高度な技術を持つ者が行うイメージをもたられるが、実際にはきちんとアップデートを実施するなどの基本的なセキュリティ対策の徹底が被害を防ぐ近道になる」とあいさつした。
2023年の同月間に合わせてNISCでは、下記の「サイバーセキュリティ対策9カ条」を公開。吉川氏は、特に企業ではサイバー攻撃によってビジネスが停止に追い込まれるなどの深刻な被害に遭う恐れがあり、「サイバーセキュリティを企業リスクとして、しっかりと認識していただきたい」とした。
- OSやソフトウェアを常に最新の状態にしておこう
- パスワードは長く複雑にして、ほかと使い回さないように使用
- 多要素認証を利用しよう
- 偽メールや偽サイトにだまされないように用心しよう
- メールの添付ファイルや本文中のリンクに注意しよう
- スマートフォンやPCの画面ロックを利用しよう
- 大切な情報は失う前にバックアップしよう
- 外出先では盗難・紛失・のぞき見に注意しよう
- 困った時は一人で悩まず、まず相談しよう
また、フリーアナウンサーの宇賀なつみさんとサイバーリスクマネジメント専門家の名和利男氏を起用して、企業経営層向けにサイバーセキュリティを啓発する全10回構成(各回3分程度)の動画を2月20日から公開するほか、3月17日には経営層向けのオンラインセキュリティセミナーも実施する。また、各府省庁などが参加するサイバーセキュリティ競技会「NISC CTF」も開催することにしている。
2月20日から公開される企業経営層向けのセキュリティ啓発動画のワンシーン
キックオフイベントには同月間の広報役を務める女優の髙橋ひかるさんも登壇。普段からスマートフォンの画面ロックを利用するなどセキュリティ対策を心がけていると紹介し、「基本的なセキュリティ対策をしっかりと行うことで、家族も職場も守ることができますし、全員参加でセキュリティに取り組んでいきましょう」と呼び掛けた。
「サイバーセキュリティ月間」広報役を務める女優の髙橋ひかるさん