日本IBMは2月6日、米本社が1月4日に発表した、新しいパートナー向け施策「IBM Partner Plus」を4月1日から国内で一部運用を開始し、7月1日からの本格運用を予定していることを発表した。
日本IBM 専務執行役員 パートナー・アライアンス&デジタル・セールス事業本部長 三浦美穂氏
同社 専務執行役員 パートナー・アライアンス&デジタル・セールス事業本部長 三浦美穂氏は「複雑化した従来の(パートナー向け施策)『PartnerWorld』を一新し、パートナー企業との協業を進めていく」と述べている。
パートナー企業向けポータルで情報を一元化
Partner PlusとPartnerWorldを比較すると、「取引容易性の強化」「技術共創の強化」「簡素化と明確化」「案件創出貢献」の4分野で改善を図ったとしている。
「取引容易性の強化」は、パートナー企業が使用する契約書のひな形や技術要素をオンラインからアクセスする「IBM Partner Portal」で情報の一元化を実現。日本IBMの営業担当者が持つ営業情報を共有し、同社従業員用トレーニングプログラムをeラーニングで提供する。
同サイトでは、パートナー企業が得られる報奨金のシミュレーションやマーケティング情報、日本IBMの製品やサービスの情報取得に加えて、パートナー企業の案件登録機能も提供する。三浦氏は「早期に案件を登録すると報奨金を追加する仕組み」だとアピールした。
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「技術共創の強化」は、パートナー企業の状況に応じた「Silver」「Gold」「Platinum」の3段階を設けて、特別な報酬や市場参入機会、学習機会を得られる。
従来のSell、Serviceに属する再販・サービスパートナー企業の場合、IBM技術認定保有者3人でSilver、IBM技術認定保有者7人に年間売り上げが100万ドル(約1億3200万円)でGold、IBM技術認定保有者14人に年間売り上げが1000万ドル(約13億2000万円)でPlatinumとレベルアップする。
だが、従来のBuildに相当する組み込みパートナー企業の場合、日本IBMの製品やサービスを組み込んだソリューション1件でSilver、組み込みソリューション1件、年間売り上げが10万ドル(約1320万円)でGold、組み込みソリューション1件、年間売り上げが100万ドルでPlatinumと敷居が低い。三浦氏は「Buildパートナーへの支援は組み込みパートナー企業と縁を結びたいという気持ちの表れ」だと解説した。
Partner Plusで強化しているのが、案件創出増加に向けたマーケティング・共同拡販支援。三浦氏は「IBMのエンジニアあるいは営業担当者が、パートナー企業と一緒にソリューション開発や案件創出でも一緒に汗をかきたいプログラム」であり、単なる技術力育成や報奨金支払いにとどまらないと説明している。
「案件創出貢献」はマーケティング強化を意味する。「IBMのマーケティング(プログラム)は条件が厳しく使いにくいと(パートナー企業からの)声があった」(三浦氏)ことから、マーケティング活動に用いる素材をまとめた「Demand Engine」と、パートナー企業の成長にあわせて共同マーケティング費用負担を増額する「Growth Program」の2つを用意した。
Growth ProgramはパートナーレベルがGoldかPlatinumで売り上げ対前年比プラス成長のパートナー企業に限定する。「簡素化と明確化」は各分野に含まれるためとし、説明は割愛した。
現在同社のパートナービジネスは3~4割を占め、残りが直接ビジネスだが、三浦氏は「数年以内に50%程度まで押し上げたい」と抱負を語った。