オンライン顧客体験(CX)分析サービスを手がけるContentsquare Japanは2月21日、年次報告書「2023年 デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート」の日本語版を公開した。それによれば、重いウェブサイトが訪問者の離反と機会損失の原因となっている。
この報告書は、日本を含む世界2942のウェブサイトを対象に、350億件のウェブサイトへの訪問と1610億ページの閲覧におけるユーザー行動を統計的に分析し、動向をとりまとめている。今回は、消費者の多くがモバイル端末でのコンバージョン(成約)間際にサイトから離脱し、ブランドを運営する企業にとって最重要タイミングで顧客を失っていることが分かったという。
特にウェブサイトの性能低下が深刻な問題だとした。ユーザーの35.6%がウェブサイトのセッションにおいて何らかのいら立ちを感じており、18.1%はページの読み込みの遅さに不満を募らせるという。さらに、6.0%がユーザーに何度も同じ場所をクリックさせることにいら立つとしている。
また、ユーザーのアクティビティーが多いサイトと低いサイトを比較した結果、コンバージョンは2.69%と少ないサイトより19%高く、セッション深度(セッション当たりのページ閲覧数)は5.4ページと46%高く、直帰率は44.4%で20%低いことも分かった。
しかしながら、対前年比ではセッション深度が2.3%減少し、セッション当たりの滞在時間も7.5%減少した。モバイルサイトの訪問者の19.7%が支払いページで時間を費やしているものの、モバイル全体のコンバージョンが4%以上減少していた。一方で、デスクトップは訪問者の18%が支払いページを閲覧しており、コンバージョン率が前年比で約3%上昇したことも分かった。
同社は、デバイス横断にいるスムーズなCXを提供しているブランドでは、商品詳細のページ、カテゴリーページ、支払いページの3つの顧客接点で大きな成果を上げていると指摘。これは(1)顧客とのインタラクションの長期化、(2)オンライン上のコンバージョン率の増加、(3)直帰率の大幅な低下、(4)デスクトップとモバイルデバイス両方におけるウェブサイトの全体的なパフォーマンス向上――といった効果につながるとしている。