キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2月21日、全国のビジネスパーソンに議事録や発言録の作成経験について聞き、その作業負担や人工知能(AI)などツールの活用状況を取りまとめた。調査は2022年12月16日~12月20日、全国20〜59歳までの経営者・自営業者・専門職・正社員で、勤め先で議事録の作成業務のある人を対象にインターネットで行われ、1000件の有効回答を得た。
それによると、週1回以上会議に参加している人は55.3%、議事録/発言録の作成業務に負担を感じている人は67.2%に上った。ワークスタイルの変化によって普及したオンライン会議によって負担が大きくなったと回答した人は18%だった。
同社は、テレワークによって移動時間の削減、資料のデジタル化などが進んだ一方、オンライン会議の議事録/発言録の作成についてはデジタル化が進んでおらず、業務効率化への期待が高まっていると分析する。
年代別に比べると、20代の若手社員が最も多く作成業務を担っているという。1週間当たりの作業時間は平均6.13時間、年間で換算すると319.6時間に上り、年代別では20代が1週間当たり8.46時間を費やしていることが分かった。
業務効率化によって空いた時間の使い方については、「会議に集中する」(37%)、「会議で発言する機会が増える」(21.8%)、「他の作業を進める」(50.9%)、「残業時間を削減する」(32.3%)などが挙がった。
議事録/発言録の「作成は必要」「エビデンス(証拠)として有効」とした回答は、いずれも7割超だった。その一方で「通常業務に支障が出る」(60%)、「作成業務が残業につながる」(62.3%)、「作成業務を担当すると発言機会を損なう」(62.2%)、「作成業務の負担が大きい」(68.8%)など業務改善への課題感がうかがえた。また、「会議をしながらの作成が理想」「作成はAIに任せてもいい」など、デジタル技術による業務効率化への期待が感じられたとしている。
支援ツール/アプリについては72.6%が使用したいと回答するが、既に利用しているのはわずか1.4%と需要と実態に大きな差があった。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に期待する効果や成果についても聞いている。それによると、67.9%がコスト削減や業務効率化などの「守りのDX」に期待していた。キヤノンMJでは、新規顧客の獲得や新規事業の創出などの「攻めのDX」だけでなく、守りのDXも両輪で推進し、企業の生産性を向上させることが重要だと指摘する。