キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、クラウド型AI-OCR(人工知能を活用した光学文字認識)ソリューション「CaptureBrain」を導入し、契約書入力作業を効率化した。同ソリューションを展開するキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)が7月19日に発表した。手書き文字の入力作業負荷を軽減することで、毎月約100時間の作業時間を削減したという。
キヤノン製品の国内マーケティングや独自ソリューションの提供などを行うキヤノンMJは近年、企業戦略と業務プロセスの整合を取りながら、業務プロセスを把握/分析して継続的に改善する活動を進めている。その一環として今回、プリンターの保守に関する契約業務の改善に取り組んだという。
この業務では、顧客が購入後の保守サービスを申し込む際に記入した手書きの契約書を確認し、システムに転記入力して契約を管理する。従来は、業務を外部委託することで作業品質と体制を維持していたが、そのコストが負担になっていたという。
キヤノンITSはこれらの課題を解決するため、キヤノンMJにCaptureBrainを導入し、スキャンニング/文字認識技術やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を活用して業務を自動化した。
同ソリューションは、キヤノンITS独自の画像補正技術とAIによる高精度な帳票認識技術を活用し、画像補正、帳票種別の自動分類、活字/手書き帳票のOCR処理までを一括して行う。さらに、OCRの読み取り精度向上のため、OCRの項目ごとに最適なエンジンを選択でき、認識結果を自動補正する辞書機能も搭載している。その結果、キヤノンMJでは業務の内製化が可能となり、外部委託費は年間で約1000万円削減された。
そのほか、現場からの操作画面や視認性に関する改善依頼を基に、キヤノンITSはシステム改修を実施。担当者が使いやすい操作画面にすることで、業務効率化につながったという。
キヤノンMJは今後、他の手書き書類で行っている契約管理業務においても今回の仕組みを横展開し、効率化や作業品質の向上を目指している。