ソフトウェア開発作業のうち、IT部門以外の従業員に任せられるものはどれだけあるだろうか?この疑問に対する答えは、依然として出ていない。それでも、誰もがローコード/ノーコードという考えに魅力を感じている。IT部門ですら、いや実際のところIT部門は特に魅力を感じている。ローコード/ノーコードによって、IT部門の作業負担が軽減されると同時に、エンドユーザーには自らのイニシアチブを実行する機会がもたらされる。しかし、ローコード/ノーコードはあらゆる状況で功を奏するというわけではないため、慎重に推進していく必要がある。
ローコード/ノーコードに向けた動きは、技術スキルを有する人材の不足によって促進されてきている。
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最近のある調査によると、組織の85%はローコード/ノーコードによるITソリューションの採用をとても重要だと考えており、66%はIT部門以外の従業員がローコードアプリケーション開発プラットフォームを利用することに抵抗を感じていないという。ただ、Jitterbitが公開したこの調査では、ITリーダーらは主な業務課題の解決という観点からみたローコードの能力に依然として不安を感じており、データのセキュリティやアクティビティーの問題についても少なからず不安を感じていることが明らかになった。
しかし、技術スキルを有する人材が著しく不足し、その状況が好転する兆しも見えない中、組織はローコード/ノーコードに向かう以外の選択肢を持ち合わせていないかもしれない。PwC LabsのパートナーであるRobin Stein氏は「組織は強力なツールを活用することで、高品質な成果物の迅速な調達に向けてタスクを自動化できる。また開発者らは自らの能力をより複雑なイニシアチブで生かすための時間を捻出できるようにもなる」と述べ、「ソフトウェア開発についての考え方に対するパラダイムシフトと、ローコード/ノーコードの採用は、核となるIT機能を担う人員以外の力を活用し、その能力を解放する上での鍵となる」と続けた。
LeanIXの製品管理およびプラットフォーム戦略担当バイスプレジデントであるDominik Rose氏によると、組織は「ローコード/ノーコードプラットフォームで解決し、置き換えられるものと、そうでないもの」を見極めようとし始めたところだという。同氏は「例を挙げると、ローコード/ノーコードのソリューションは、デジタル顧客のニーズに応えることを中心に据えたソリューション、例えば統合基幹業務システム(ERP)のような既存のITソリューションと組み合わせるとうまくいく」と述べつつも、「これは、スケーラビリティーに優れた企業向けのソリューションを構築するための最善のアプローチとは言えない。テンプレート化されたエクスペリエンスだけで顧客が抱える全ての問題を解決できるわけではない。従って、企業は定型的なワークアラウンドの必要性を低減するために、既存のプラットフォームを最大限に生かせるより優れた方法を見つけ出す必要がある」と述べた。
同氏は、システムが異なれば必要な手段や、オーケストレーションのレベルは異なってくると指摘し、「アプリケーションを取り巻く状況をスマートにモダナイズするという際に、ローコード/ノーコードのソリューションが有効となり得るのは確かだが、こうしたプラットフォームだけでは結局のところ、スキルを有した開発者の必要性を減らすことはできない」と述べた。