筆者はずっと以前から、「Linux」について、本記事のタイトルのような意見を唱えてきた。しかし今こそ、Linuxを使う絶好の機会かもしれない。
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セキュリティやプライバシーに対する脅威はとどまるところを知らない。脅威は絶え間なく襲ってくるし、攻撃が重なるにつれて、被害はさらに広がり、効果も強まっている。悪者たちは腕を上げており、どうすれば攻撃がうまく行くかを知っている。こうした脅威を受ける理由の1つは、「Windows」をデスクトップPCやノートPCのメインのOSとして使っているからだ。
読者が動揺し始める前に説明しておこう。この記事では、他の記事のようにいきなりWindowsを切り捨てることはしない。Windowsのひどさについて語るつもりもない。Windowsを使ってユーザーのデータを盗んだり、データを盾にとって身代金を要求したりするのがどれだけ簡単かについても触れないでおく。
筆者の目的は、Windowsが抱えている問題を、コンピューターや、IT、技術に関して持っている知識に関わらずあらゆる人が理解できるように説明することだ。
チームスポーツをしていることを想像して欲しい。想像するのは、どのようなチームでもスポーツでも構わない。あなたのチームは、非常に長い間ずっと圧倒的に勝ち続けてきたにも関わらず、突然、ほかのチームに負け始めた。ほかのチームが戦術の弱点を突いてくるようになったのだ。なぜこのようなことが起こったのだろうか。
1つには、あなたのチームがあまりにも勝ち続けるため、ほかのチームも考えるようになり、負け試合を徹底的に研究して、とうとうあなたの戦術を把握したからだ。そして、何もかもがうまく行っていて何かを変える必要もなく、ずっと同じようなプレイを続けていたところに、ある運命の夜、(他のチームの)悪者があなたの戦術ノートを盗み出し、ほかのチームにもあなたのチームの弱点を広め始めたからだ。
つまり、あなたのチームはハッキングされたのだ。あなたは常に守勢に立たされるようになり、試合に勝つために急いで他のプレーを考える必要に迫られている。
長年のうちにWindowsに起こったのは、そういうことだ。誰もがあまりにも長い間Windowsを使い続けてきたため、ハッカーはその弱点をよく知るようになった。MicrosoftのプロプライエタリOSであるWindowsは、あまりにも勝ちすぎたため、大量の標的を背負ってしまった。
一方、Linuxは、何十年にもわたって標的になってこなかったことも手伝って、Microsoftでは太刀打ちできないレベルのセキュリティを備えるようになった。
他にも、Linuxの方がWindowsよりも安全だと言える理由を少なくとも4つ挙げることができる。
- ユーザーの権限:Linuxの方がはるかに構造化された合理的な権限システムを持っている。
- ソフトウェアのインストール方法:インターネット上にはWindows用の.exeファイルや.msiファイルがあふれているが、その多くが悪質なペイロードを含んでいる。Linuxの場合、利用しているディストリビューションのパッケージマネージャーからソフトウェアをインストールすることが多く、こちらの方が安全性が高い。
- オープンソース:仕組み上、Linuxのコードは多数のソフトウェアエンジニアによって検証されている。
- アップデートの頻度:Linuxは定期的にアップデートされているだけでなく、脆弱性が発見されると、すぐに修正される。