Linuxノウハウ

「Linux」でパスワード認証なしでアクセス可能な「Samba」共有を作成するには

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2023-10-19 07:45

 「Samba」は、「Linux」デスクトップのフォルダーをネットワーク上のほかのユーザーと共有する優れた手段である。例えば、ほかのユーザーがアクセスする必要のあるドキュメントがある場合や、写真、動画など、共有したいさまざまな種類のファイルがある場合、Sambaを使用すると、それらのファイルやフォルダーをネットワーク上のあらゆるデバイスと共有することができる。Samba共有はユーザー名とパスワードで保護することが可能だ。

 Samba共有をセットアップする方法については、過去の記事で解説済みだ。今回は、アクセスするユーザーにユーザー名とパスワードを求めない共有を作成して、ネットワークに接続しているすべてのユーザーがそれらのファイルを利用できるようにする方法を紹介する。

 注意点が1つある。機密情報を含むファイルは、絶対にこの方法で共有してはいけない。そうしたファイルについては、アクセスするユーザーに認証を求めるように共有をセットアップすべきだ。そうしないと、機密情報が悪人の手に渡ってしまう可能性がある。言い換えると、本記事で紹介する手順を実行する場合は、慎重を期してほしい。

 ゲストフォルダーの作成に着手する前に、上記のリンク先に必ず目を通して、Sambaをインストールし、仕組みを理解してほしい。その記事では、パスワードで保護された共有を作成し、そのディレクトリーを共有するマシン上にアカウントを持つユーザーだけがアクセスできるようにした。

 Sambaに習熟したら、ゲストがアクセスできるディレクトリーを作成してみよう。

Sambaでゲスト共有を作成する方法

 必要なもの:これを機能させるには、Sambaを実行しているLinuxマシンとsudo権限を持つユーザーが必要である。それ以外のものは不要だ。それでは、作業に取り掛かろう。

1. 新しいディレクトリーを作成する

 最初に、ネットワーク上のゲストがアクセス可能なファイル/フォルダーを格納するディレクトリーを作成する。これを行うには、ターミナルウィンドウを開いて以下のコマンドを実行する。

sudo mkdir /home/share

2. フォルダーに適切な権限を付与する

 次に、フォルダーのアクセス許可を変更し、誰でもアクセスできるようにする必要がある。

3. Samba設定ファイルを開く。

 次に、以下のコマンドを実行して、Samba設定ファイルを開く。

sudo nano /etc/samba/smb.conf

4. ネットワークインターフェースを設定する

 この共有を誰でも利用できるようにするため、Sambaをロックダウンして、内部ネットワークからのみアクセスできるようにする。これを行うには、2つの行を変更する必要があるが、その前に、ネットワークインターフェースに関連付けられた名前を見つけなければならない。具体的には、以下のコマンドを実行する。

ip a

 そのインターフェースの名前(enp0s3など)が表示されるはずだ。

 最初に変更するのは、以下の行だ。

; interfaces = 127.0.0.0/8 eth0

 これを以下のように変更する。

interfaces = 127.0.0.0/8 NAME

 NAMEはネットワークインターフェースの名前だ。

 次に、以下の行を見つける。

; bind interfaces only = yes

 これを以下のように変更する。

bind interfaces only = yes

5. 共有を追加する

 smb.confファイルの最後に、以下の内容を追加する。

[public]
path = /home/share
public = yes
guest only = yes
writable = yes
force create mode = 0666
force directory mode = 0777
browseable = yes

 上記の設定は、共有へのパスを定義して、共有を公開し、ゲスト専用、書き込み可能にする。そして、ファイル作成とディレクトリーの許可モードを設定し、共有を閲覧可能にする。

 「Ctrl」+「X」キーボードショートカットでファイルを保存して閉じる

6. Sambaを再起動する

 最後に、Sambaを再起動すると、ゲスト共有が有効になる。これは、以下のコマンドで実行可能だ。

sudo systemctl restart smbd

 Sambaが再起動すると、ユーザー名やパスワードを入力しなくても、その共有にゲストとしてアクセスできるはずだ。

 これは、ネットワーク上のすべてのユーザーに特定のディレクトリーへのアクセスを許可する優れた方法である。ただ、その場所に機密ファイルを追加しないように注意してほしい。機密情報が悪人の手に渡ってしまうおそれがあるからだ。

提供:Mihaita Costin/500px/Getty Images
提供:Mihaita Costin/500px/Getty Images

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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