パナソニックホールディングスは、2023年度上期(2023年4月~9月)連結業績を発表した。ソリューション事業などを行うパナソニック コネクトの売上高が前年同期比7%増の5521億円、調整後営業利益は260億円増の164億円となった。中でもBlue Yonderは、第2四半期の調整後営業利益が4四半期ぶりに600万ドルの赤字を計上したものの、2023年度の通期見通しを上方修正した。
発表によると、Blue Yonder の2023年度通期の調整後営業利益は、実力値ベースの数値で前年比28%増の87億円の計画としていたが、今回の修正では前年比88%増の128億円とした。また、2025年度までの3年間にわたる2億ドルの戦略投資やパナソニックグループとのシナジー創出のための戦略投資、買収に伴う無形資産償却、買収に伴う一時的な会計処理を含む連結調整後営業利益では、236億円の赤字から199億円の赤字に、37億円の上方修正とした。赤字幅を縮小し、為替影響を除くと42億円の上方修正となる。
パナソニックホールディングス 代表取締役 副社長執行役員 グループCFO(最高財務責任者)の梅田博和氏は、「赤字だが前年同期の1100万ドルの赤字からは増益」としながら、「第2四半期の赤字は、年間の業績見通しが当初の想定よりもいいことから、過去の分も含めて、インセンティブなどの人件費の増加を計上したことが要因である」と説明した。
パナソニックホールディングス 代表取締役 副社長執行役員 グループCFOの梅田博和氏
新たな計画では、2023年度の戦略投資やシナジー投資についても見直した。戦略投資は、年間84億円の計画から77億円に修正。上期で21億円の投資が完了している。シナジー投資は年間28億円の計画から23億円に修正し、上期では6億円の投資が完了している。 「下期も引き続き経営体質強化とSaaSへの移行に向けた戦略投資を行い、それを含むと2023年度が最も赤字が大きくなると見ている。戦略投資をしっかりと行い、2024年度、2025年度の成長につなげる」(梅田氏)とした。
Blue Yonderの赤字は当初から織り込み済みだ。パソナニックコネクト CEO(最高経営責任者)の樋口泰行氏は、2023年5月のBlue Yonderの事業戦略説明会で、「SaaS事業は、投資フェーズで正しく投資を実行しなければ、どこかでビジネスモデルにボロが出て、売り上げの伸びが鈍化する。投資フェーズにどれだけアクセルを踏んで投資を実行できるかが大切」とし、現段階をBlue Yonderの投資フェーズに位置付づけている。
パソナニックコネクト CEOの樋口泰行氏