九州地方を中心にスーパーセンターを展開するトライアルホールディングス(トライアル)とNECは1月23日、顔認証の分野で協業し、小売業のDXを中核に安全で便利な街づくりを目指すと発表した。
トライアルは、独自に開発したIoT技術やAI技術を導入し、データを活用して購買体験の提供や効率的な店舗運営を行うスマートストアの展開を全国で進めている。2020年9月には福岡県宮若市と官民連携協定を締結し、「リテールDXタウン」として同市の学校跡地などを活用した街づくりを進めている。
NECは、生体認証を活用した共通のIDにより複数の場所やサービスで一貫した体験を提供するブランド「NEC I:Delight」のもと、さまざまな領域の顧客やパートナーとの共創活動を通じて安全で豊かな社会を目指している。
協業の第1弾として、トライアルが運営する宮若市の複数施設において、トライアル、NEC、トライアルの取引先企業の約500人を対象に、NECの顔認証技術を活用した決済と入場管理の実証を1月末~2月中旬に順次開始する。顔認証を共通IDとしてさまざまなサービスを連携させることで、利用者は顔情報を一度登録するだけで複数サービスでの顔認証の利用が可能となる。
トライアルGO脇田店での顔認証決済のイメージ
次世代型スマートストア「トライアルGO脇田店」と産地産直レストラン「グロッサリア脇田店」では決済、AI開発センター「MUSUBU AI」、AIデバイス開発センター「TRIAL IoT Lab」、従業員寮「T MAISON WAKITA」では入場管理で顔認証を実証する。
両社は今後、顔認証技術を活用したサービスの利用対象を来店客に拡大することで、新たな購買体験の提供や利便性の向上を目指す。宮若市内の他の施設や別のエリアでも顔認証技術の活用を拡大することで、安全で便利な街づくりを推進するとしている。