NTTは4月12日、英米において「IOWN」で接続したデータセンター間の遅延を検証し、1ミリ秒以下だったと発表した。リアルタイムなAI処理や金融などで活用できるとしている。
検証は、英国ではロンドン近郊のへメルヘムステッドにあるHH2データセンターとダゲナムのLON1のデータセンター間の89km(ファイバー長)、米国ではバージニア州アッシュバーンのVA1データセンターとVA3データセンター間の4km(同)をそれぞれNEC製の機器を使ってIOWN APNで接続し、往復遅延と遅延揺らぎを測定した。
その結果、400Gbpsの通信の場合に英国では遅延が0.893ミリ秒、遅延揺らぎが0.035マイクロ秒、米国では遅延が0.062ミリ秒、遅延揺らぎが0.045マイクロ秒だった。
検証環境(出典:NTT)
検証結果(出典:NTT)
NTTによれば、今回の実証と同程度の距離があるデータセンター間の通信では、遅延が2ミリ秒以上になるとし、一般的なレイヤー2スイッチで構成する従来型ネットワークでの遅延揺らぎは数マイクロ~数十マイクロ秒になるという。
この結果についてNTTは、大企業などのユーザーにおけるリアルタイムAI分析処理、金融分野などで海外のNTTデータグループのデータセンターの活用が期待されるとコメント。クラウド事業者向けにも都市部と同一拠点相当のデータセンターとしてNTTデータグループのデータセンターの活用が期待されるとした。
今後NTTとNTTデータグループで早期のビジネスの立ち上げを目標に、金融など分散データセンター用途の顧客と共同実証を検討しているという。