NECは12月7日、「C&Cユーザーフォーラム&iExpo2005」を開催した。今年の開催コンセプトは「今、ユビキタスで、ビジネスに『勝てる力』を!U can change.」。12月9日まで開催される。
プラスチックの一種である有機ラジカル材料を使用した薄型の二次電池。折り曲げて使うこともできる |
ユビキタス電源の展示コーナーでは、薄型の二次電池が発表されており、来客者を関心させていた。この電池は、0.3mm厚ながら3.5Vの電力を供給できる重金属フリーの電池。30秒で充電が完了する。曲げることができるほかカードに搭載することも可能だ。パソコンのUSB端子から直接充電することができ、幅広い用途での活躍が期待される。
現時点では、「まだ発表段階であり、直接製品に搭載するところまでは進んでいない」という解説だったが、電源不足が懸念されているモバイル機器をはじめ、さまざまなデバイスに対応することが考えられる。
スリム筐体サーバ「Express5800/110Gc-S」。パーツをBTOできるほか、Linuxがプリインストールされたモデルも販売される |
同様に研究開発の段階だが、「データマイニング」の新技術も発表されていた。これはクラスタや大量のディスクに保存されているデータから共通トピックを抽出し、運用管理の効率化や有効活用を計ることができるシステムで、個別トピックの抽出なども可能になっている。また、時系列データから将来の傾向を予測する「トレンド予測エンジンTrendLiner」なども発表されており、データマイニングが新たな方向性を持ち始めていることを示唆していた。
一方、ハードウェアではNECが得意としている水冷技術にやはり注目が集まっていた。また、同社のサーバ・ワークステーションシリーズ「Express5800」からは、SOHO・小規模オフィス向けサーバ「Express5800/110Gc-S」が発表された。Linuxをプリインストールしたモデルも12月20日から販売される。搭載できるLinuxはRed Hat Enterprise Linux ES4(32ビット)およびMIRACLE LINUX V3.0となっている。
BlackShipで開発された4輪ロボット |
また、会場を歩いているといつの間にか背後についてくる4輪ロボットがあった。これは日本SGIのロボット開発支援プラットフォーム「BlackShip」のデモンストレーションだった。日本SGIでは、ロボット開発の裾野を広げるため、廉価なソフトウェア開発キットを提供している。
「C&Cユーザーフォーラム&iExpo2005」は12月9日まで東京ビッグサイトで開催される。iExpo2005のほか、同施設の会議棟で開催されているC&Cユーザーフォーラムでは講演会やビジョントラックなどが見られる。