日本HP、アダプティブエンタープライズ実現には「5C」--NonStopの検証センターも

藤本京子(編集部)

2006-01-27 21:06

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は1月27日、エンタープライズストレージおよびサーバ事業の説明会を開催し、2005年度の業績を振り返るとともに、2006年度の戦略について説明した。

 日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 本部長の松本芳武氏はまず、2005年度の大きな出来事として、米国本社のCEOと日本法人の社長が共に新しくなったことに触れた。新CEOのMark Hurd氏と新代表取締役社長の小田晋吾氏は、共に「エンタープライズビジネスの大ベテランだ」と松本氏は述べ、HPのエンタープライズビジネスにとって心強い存在だとした。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 本部長 松本芳武氏

 2005年度第4四半期(2005年8月〜10月)におけるHPのワールドワイドでの業績は、サーバとストレージ全体が対前年比10%の成長で45億ドルとなった。中でも、ブレードサーバの売上は対前年度比65%増、Itanium搭載のHP Integrityサーバの売上は同70%増、ミッドレンジストレージのStorageWorks EVAシリーズの売り上げは同44%増、ハイエンドストレージのStorageWorks XPシリーズの売り上げは同32%増と、順調な成長を示した。

 2006年のHPの戦略としては、引き続き同社の戦略である「アダプティブエンタープライズ(AE)」を推進する。これは、ビジネスとITをうまく結びつけ、変化に迅速な対応ができる企業を実現するための戦略だが、同社ではAE実現に向けた顧客の課題を解決するため「5C」にフォーカスする。その5Cとは、「Continuity」(継続性)、「Consolidation」(統合)、「Control」(管理)、「Compliance」(法制準拠)、「Collaboration」(協力)の5つだ。

 5Cの中でも特にストレージやサーバ事業に関連するのが、Continuity、Consolidation、Compliance、Controlの4つだ。松本氏は、「ポートフォリオの総合力を高め、事業の継続性を図るためのContinuityと複雑なIT環境を統合するConsolidationを実現する。また、Complianceを考えた場合、単一国の法律に準拠するだけでは意味がないため、グローバルな視点で顧客サービスを提供する。Controlの部分は、x86プロセッサなど標準の技術が使える場所には標準技術を提供し、仮想化や自動化などHPの差別化技術を新たなイノベーションで提供する」と話す。

 この戦略の一環としてHPでは、NonStopサーバにおけるシステム構築を加速するため、「日本HP NonStopサーバ・コンピテンス・センター」を設立する。同センターにて提供するサービスは、ISV製品やオープン系ソフトウェアのHP NonStopカーネルへの移植や稼動検査、NonStopサーバとオープン系サーバおよびSAN(Storage Area Network)製品との混在環境での動作検証、性能ベンチマークや評価などだ。同センターは2月1日より稼動する。

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