サンフランシスコ発--米国時間10月24日、年次ユーザーカンファレンスを開催中のOracleが、「Oracle Database 11g」のベータ版をリリースした。
Oracleのサーバ技術担当エグゼクティブバイスプレジデントChuck Rozwat氏は、「Oracle OpenWorld」カンファレンスで基調講演し、同ベータ版には182点もの新たな機能が追加されていると語った。これらの機能は、より大容量な情報の保管からデータ圧縮、並列的なアップグレードに至るまで、さまざまなデータベース関係の問題を解決するために考案されたという。
Rozwat氏は、データベース業界が直面している最大の問題の1つとしてスケーラビリティを挙げ、「11gにはこれを実現する機能が多数搭載されている」と述べた。
オンラインビデオやインスタントメッセージングの流行といった要因により、情報が生成され、保管される速度が増していると、同氏は指摘した。さらに、電子メールやドキュメントなど多様な形式のコミュニケーションを長期間保存するよう企業に義務づける規制改革が、こうした問題に拍車をかけているという。
Database 11gのベータ版には、情報を復元する「flashback」技術も実装されており、システムを停止させている途中でも、アプリケーションのオンラインアップグレードが可能になっている。
オープンソースデータベース技術との激しい競争にさらされる中、Oracleは企業規模の拡大を図ってきた。例えば、2006年に入ってからはSleepycat Softwareを買収し、同社のオープンソース「Berkeley DB」データベースを取得している。Berkeley DBは、Oracleのアプリケーションに組み込まれる予定だ。
また2005年は、「MySQL」データベースにデータを保管する、「InnoDB」データベースエンジンの開発企業Innobase OYを買収した。InnoDBエンジンはGNU General Public Licenseの下、MySQLデータベースの一部として配布されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ